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□ヒャクネン ト サイカイ
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現世────空座町。
「今日は転校生を紹介するぞー」
担任の合図でドアが開く。
入って来たのは緑の髪に青い瞳をした少女である。
彼女は真新しい制服に身を包まれながら、教卓の前に立ち、人当たりの良さそうな顔でニコリと笑んだ。
「仁科梨央です。優しい女の子なので怖がらず気軽に話しかけてください☆よろしくお願いしまーす♪」
冗談交じりの自己紹介を済ませて指定された席に向かう。
「お、隣の席はキミだね」
オレンジ色の頭をした少年は顔を上げて梨央を見た。
「!」
その顔を見た瞬間、不思議な違和感を感じた。
「……一心さん?」
その少年の顔は
昔 “死神として生きること”を断念した
あの人にとてもよく似ていた
「黒崎一護だ。よろしくな」
「黒崎…?」
笑って出された手。
その手を少し驚いた表情で見つめる。
ガシッ
「!」
「そうかそうか!キミが黒崎一護くん!道理であの人の面影があると思ったよ!────やっと会えたね!」
「あの人…?」
梨央は一護の手を握るとぶんぶんと振って嬉しそうに言う。
「ねえねえ!いっちーって呼んでもいい?
私のことは気軽に名前で呼んでよ!」
見た目の外見に反して飄々とした性格に驚いたのか、一護は唖然として梨央を見ている。
「好きに呼んでくれても構わねえけど…オマエ親父のこと知ってんのか?」
「キミの父上にはお世話になったんだ。
ま、これから仲良くしようよ」
「おう」
ああ 笑うとやっぱり似てる
「梨央ちゃん!あたし井上織姫!よろしくね!」
「こちらこそ織姫ちゃん。
女の子の友達ができて嬉しいよ」
二人はお互いに友達ができたことを喜び、笑いあった。
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