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□モクテキ ト オウケン
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日は沈み、太陽が顔を隠す。
空が夜に染まる時刻…。
「今日はやけに静かだな…」
ゴオォォ────……
「この霊圧…!!」
破面─────!!
「ついに動き出したか…」
伝令神機で敵の居場所を探る。
「7体…多いな…」
でも上手い具合に
全員バラバラに散らばってる
「なるほどな。少しでも霊圧のある者全て…皆殺しにする気か」
雨竜くんは今霊圧がゼロのはず
織姫ちゃんには乱菊さんと日番谷隊長が
茶渡くんにはいっちーとルキア
「とりあえず問題はなさそう」
だが…
「何だ…この不吉な予感は…」
胸の辺りがザワつく様な感覚に梨央は不快感を募らせる。
「外に出るか」
万が一の危険性を予測して梨央は外に飛び出す。
「各所で既に戦いは始まってる…」
死神化した梨央は夜の街を走る。
「破面…狙いは一体なんだ?」
それぞれの場所で放つ殺気にも似た霊圧を体に感じながら考える。
「!」
この霊圧は…
「ルキア…!」
死神の力が戻ったのか────!!
「これなら心配は…」
ピクッ
安堵するもの束の間、何者かの気配に気付いて足を止めた。
「(上手く霊圧を消しているな…)」
近くに敵が潜んでいることを知り、梨央は警戒心を張り巡らせる。スッ…と手を後ろに回して背中に背負っている斬魄刀の持ち手を掴む。
「…………………」
街灯の明かりが梨央の容姿を一際引き立てる。
「隠れてないで姿を現したらどうだ?」
決して刀から手を離さず言う。
「完全に霊圧を消したつもりだったが…微かな気配にも気付くとはさすが化け物と呼ばれるだけはある」
“化け物”
その言葉に苛立ち、深く眉間を寄せて、見えない相手に訝しい表情を浮かべる。
「姿を見せないとは…キミは臆病者か?」
逆に相手を挑発した。
「隠れてないで出て来いよ」
すると近くの電柱の陰から人影が姿を現わす。
「!」
その人物は全身を黒いマントで覆っていた。
大人にしては少し背が低い
声もどこか落ち着きがある
なにより…コイツから殺気を感じない
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