□*Spero-託された希望- *
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銀城と一護が空で対峙してる中、梨央は雨竜と物陰に隠れて銀城を倒す方法を考えていた。


「さて…どうしようか」


「奴の攻撃自体に黒崎の霊圧が融合されてるんだ」


「厄介だよねぇ」


「仁科さんの力で銀城を倒せないのかい?」


「倒せるよ」


「!なら────」


「でもダメ」


「どうしてだい?」


「私が銀城を倒すことはルール違反だから」


「ルール違反?」


「これは彼の運命だ」


梨央は空を見上げる。


「仮に私が銀城を倒したとしてもあの男は簡単に死んではくれない。何故だかわかる?」


その質問に雨竜は軽く首を振る。


「運命が二人の戦いを望んでいるからさ」


「運命…?」


「運命は人々に様々な因果を与える。その運命を正しく歩む為に“物語”というものが存在する。つまり…彼が歩む運命の中に“銀城と戦う物語”があった。だから今、彼は生まれ持った運命を歩み、銀城と戦っている」



運命ってのは


本当に残酷だな



「私が彼に代わって銀城を倒せば…正しく歩んでいた彼の運命は捻じ曲がり、やがて狂い始めるだろう。そうならない為にも第三者が邪魔したらダメなんだ。これは彼の運命だから…彼自身の手で物語を終わらせないと。そしてまた…新たな運命が物語に加わる」


難しい話に雨竜は困った様な表情を浮かべている。解らなくていいんだよ、と梨央は笑った。


「ねぇ、雨竜くん…」


「何?」


「…キミの運命は───」


「?」


「やっぱ何でもない」


切ない顔を浮かべた後、小さく笑う。


「よォ、名案は出たか?」


「何だそれは」


「何だよ、オメーが少し様子見ろって言ったんだろ。サクッと倒すアイデア考えてんじゃねえのかよ」


「バカか君は。そんなものある訳がないだろう」


「なんだ無えのかよ」


「僕は今、奴の霊圧を観察してたんだ。
よく聞け、奴の霊圧には君の────」


「じゃあ俺、行ってくるわ」


「!待て黒崎!!」


「んじゃ私も行こうかね」


「仁科さん!?」


「雨竜くん、考えても何も始まらないよ」


「そうだけど…」


「名案が無ければ先手を打つべし!…だよ☆」


ニコッと笑って瞬歩で消え、一護の後を追った。



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