□*Dasium-真実を求めた少年は- *
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一護達を乗せた砲台が急激な速さで降下する。やがて地面に当たると中から岩鷲だけが一人、こぼれ落ちた。


「ご…ごめんね岩鷲くん…。
三天結盾からもれちゃって…」


「いいってことよ!!」


全員が霊王宮に降り立つ。


「静かだ…どうなってるんだ…?
戦いは終わったのか…?」


「!!!」


すると辺りを見回してた一護が何かに気付く。


それにつられて全員、一護と同じ方向に目を向ける。


「っ、梨央ちゃん…!!!」


織姫の悲痛な叫びが響いた。


伏せた体に突き刺さっているのは巨大な槍だ。


床には大きく血の跡が広がり、梨央の手から放れた刀は床に転がっている。


「これは…酷い…」


「どうして…」


茶渡と織姫は全身を血に染めた梨央の悲惨な状態を見て顔を青ざめた。


「あたし治してみる…!」


「ムリだろ!こんな血まみれで…生きてるかどうかも…」


「っ…………」


心苦しそうに目を逸らす岩鷲の言葉に織姫は息を呑んだ。


「それでもやる!」


涙目になっている織姫は梨央の傍に寄り添う。



《いっちー……》



「!?梨央…!?」



《いっちー…勾玉を…》



「どうした!?」


「わかんねえ…梨央の声が聞こえる…」



《キミにあげた勾玉を…》



《掌に乗せて…いっちー…》



「勾玉を…」


一護は首に下げていた青い勾玉を外して梨央の掌に乗せる。


すると勾玉が青く光りだす。


梨央に刺さっていた槍が消え、空いた穴も塞がった。


「はぁぁ…助かったあ!」


ガバッと起き上がって陽気に笑う。


彼女は無傷だった。


案の定、全員は驚いた表情を浮かべる。


「ど…どうなってんだ!?
死んでたんじゃなかったのかよ!?」


「そうだね、死んだね」


「何で生き返ったんだよ!!」


「あはは…久々に新鮮な反応に出会えた。んとね…なんて説明したらいいのかな。確かに死んだんだけど…死んでないというか…」


「そんな下手な説明の仕方があるか!」


「まあまあ怒らないで」


怒る一護を軽く宥める。


「ああそっか…こう伝えればいいのか」


「?」


ニコッと笑って一護達を見た。


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