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□書類配りIII
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「どいつもこいつも…」
八番隊の隊長は不在
伊勢七緒には水を浴びせられた
九番隊では檜佐木に殴られ
東仙には斬り殺されそうになった
「十番隊は後回しだ」
次に向かったのは唯一親交の深い十一番隊だった。
【十一番隊舎】
「神崎ですが更木隊長は…「あー!りったんだー!剣ちゃん剣ちゃん!りったんが遊びに来たよー!」遊びに来たのではなく書類を届けに来ただけです!」
流歌の言葉を遮ったのは愛嬌たっぷりの小さなピンク髪の少女の声。
ぴょんぴょんと跳ねて嬉しそうに笑う少女に微笑んで優しく声をかける。
「お邪魔します、やちる先輩」
「剣ちゃんなら今来るよ!」
「ありがとうございます」
「うるせえぞやちる。
何騒いで………よォ、神崎じゃねえか」
やちるの声を聞き付けて現れたのは右目に眼帯、顔の左側に大きな傷痕を残した荒々しい風貌の男。
名は─────・・・
「お久しぶりです、更木隊長」
「生きてやがったのか」
「やだなあ。勝手に殺さないでくださいよ」
更木剣八──────。
彼は前十一番隊長を決闘で殺害し
いきなり隊長の座に就いた荒くれ者である。
私も二人の決闘を拝見したけど
あの戦いは酷かった
ま、私が言えた立場じゃないんだけど
「俺ァてっきり死んでると思ってたぜ」
「もしかしたら亡霊かも知れませんよ」
「試しに斬ってみるか?」
「遠慮します。」
ニヤリと口元を歪めた更木は片手に持っていた刀を構えようとする。それを満面の笑みを浮かべ全力で拒絶した。
「書類です」
更木に書類を渡す。
「高峰十二席はどちらに?」
「あっくんなら稽古場だよ!
つるりんとゆみちーも一緒!」
「そうですか」
本気でぶっ倒してなきゃいいけど
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