□書類配りIV
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十番隊に向かう途中、突然背後から肩を強く掴まれた。


「…なんですか」


不機嫌そうな声を出して振り返る。


そこには数人の男達が立っていた。


「ちょっと付き合えよ」


「イヤです」


「てめえに拒否権はねえんだよ」


「…………………」


「そう警戒すんな」


「俺達と楽しいコトしようぜ?」



これは俗に云う…アレだな。



ため息を吐いて大人しく着いて行けば使われていない倉庫があった。


古びた外装は誰も近寄らなさそうな雰囲気を感じる。


「おら入れよ」


ドンッと背中を押されて倉庫の中に入れられる。そして髪の毛をガッと鷲掴みにされ、痛みで一瞬顔を歪めた。


「おいクソ野郎、何でまだ護廷にいんだよ?」


「てめえがいると桃香ちゃんが安心して過ごせねえだろうが」



知るか


つーか女の子の頭を・・・



汚い手で触れられたことに流歌は眉を潜めた。


すると男が掴んでいた髪をぐっと引っ張って顔を近付けた。


「…なんだその顔は?ああ?」



近いんだよ


気持ち悪いな



「チッ…生意気なんだよ!!」


ガッと腹を蹴られ、腹部に痛みが走る。


「げほっ」


地面に伏せるように蹲る流歌。


「ハッ、いい気味だ」



こ・・・んのっ!


いつかぶっ飛ばす!!



「あんま派手に傷残すなよ。総隊長にバレて処分されるのだけは勘弁だからな」



もう遅いんだよバカ共が。



「だがコイツは桃香ちゃんを傷付けたゲス野郎だ。このまま無傷では帰せねーな」


「そうだな」


「コイツもここに連れて来られた理由ぐらいは勘付いてんだろ。なぁ…神崎!!」


ゴッ


「ぐ……っ!」



クソッ


マジで容赦ないな…!!


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