小説(二次創作)
□夕飯
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本日、休みだったはずの姉上に、急に仕事が入った。
僕は一人分の食事を作る気になれず、(カップ麺でいいか……)と戸棚に手を伸ばす。と、玄関のチャイムが鳴った。
「よぉ。」
「土方さん!」
玄関前に、いつもの隊服ではなく着流しでその人は立っていた。その姿を見て僕の鼓動が少し速くなる。
「どうしたんですか? こんな時間に。」
「……ん……」
僕の顔を一旦見つめて、視線を少しずらし口ごもる。
「……? あ、の……?」
「メシ……」
「え?」
聞き返すと、しっかり目を見て
「メシ、食いに行かないか」
「……いいですね! 夕飯何にしようか迷ってたんです!」
笑顔で答えると、その人はホッとした様に口元を緩めた。それを見て僕の鼓動は更に速まる。
(土方さんに笑顔が好きだとか言ったらもっと笑ってくれるかな)
ご飯のあとに伝えてみようと、僕は思った。
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