小説(二次創作)
□荷物2
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……あれから何度か新八に会い、荷物を持ってやった。その度に申し訳なさそうな顔で謝ってくる。俺が好きでやってる事だからいいって言ってんのに……。……好きで……って! 何変なトコに引っ掛かってんだ俺!
「土方さん一人で百面相ですかィ」
うおっ! そーだ。今は総悟と巡察中だったな……。アブネーアブネー。コイツに知れたら何言われるか分かったもんじゃねぇ。平静を装わねぇと……。
「いや別になんでもな」
「あ山崎」
「聞けや!」
「と新八くん。」
「!!」
思わず猛スピードで振り向く。本当だ! なんで山崎と一緒に歩いてるんだ!? しかもニコニコと楽しそう……。
呆然とする俺をよそに総悟が声を掛ける。
「おーい山崎ィ新八くーん」
「あれ、隊長に副長」
「あ。こんにちはー!」
いつもなら可愛い笑顔に癒されるハズだが、なぜだか今はモヤモヤする。
「地味ーズ二人で何してんでィ」
「ちょ……会うなり地味ーズはないでしょ! ねぇ山崎さん!」
「いや……俺は地味で売ってるから」
「えぇぇぇ」
三人で楽しそうにしてるのを見てると、モヤモヤがムカムカに変わりイライラになった。
「山崎ィ!!」
「おわっ! はっはいィィィ!!」
驚く山崎に殺意を込めて八つ当たりする。
「てめェこんな所で油売ってるたァ……死ぬ覚悟は出来てんだろうなァァァ」
怯える山崎に向かって一歩踏み出した瞬間、横から意外な茶々が入った。