図書館
□それはどこ?
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「火神くん。
僕をみて。」
今日も誠凛高校のバスケ部はいつも通りのハードな練習をしている。
いつも通り監督は厳しいし、
いつも通りのメニューをこなしている。
だが、
雰囲気、というのだろうか。
何かが違う。
だが、その原因はすぐわかった。
その原因をつきとめるべく、
誠凛高校のバスケ部監督──相田リコは
中学時代、幻の6人目(シックスマン)と呼ばれた一人の男──黒子テツヤに聞いてみた。
「なんで今日火神くん、休みなんだろ...
連絡もなしに休むし、まずあのバスケバカが休むとは思えないし...
早く火神くんの手を借りたいんだけど...
黒子くんならさ、何か知ってるんじゃない?」
「いえ、知りません。
僕もさっきから探してるんですがどこにもいませんね。」
そっか、と言いながらリコは練習の指示に戻った。
黒子も練習に戻ろうとしたが、
次に誠凛高校のバスケ部主将──日向順平が黒子のもとを訪れた。
「なぁ、黒子。知らないっつったけど本当か?」
日向は再度同じことを質問した。
本当のことかどうか確かめたいから───
「本当に知りません。」
黒子は日向の目をまっすぐ見てハッキリ言った。
「おぅ、そうか...アイツが、な。」
「こらー!!!!そこいつまでしゃべってるの。
早く練習に戻りなさい!!じゃないと練習時間増やすわよ★」
日向がそう呟いていると、
リコの元気な声とは裏腹に言葉の釘が二人の心に刺さった。
「うおっ、やべ。」
「先輩、僕まで巻き込むのはやめてください。」
二人はそう言いながら練習に戻っていった。