紫たん

□ガール6
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紫さんも多忙な人なので、なかなか頻繁に連絡というわけにはいかないけれども
(しかも私は電話が苦手なのでメールでのやりとりが主。というか電話だと緊張して話せない・・・)
今日一緒に飲みに行こう。と言ってくださった

私は基本フットワーク重いから、今日なんていきなり言われても。ってなるけど
紫さんのお誘いなら話は別だ。うん。

やばい・・・

やばい。
もぅ私のテンションはおかしくなるばかりだ
あぁでも今日洋服適当だ・・・うん。
なんてちょっとテンションが下がっちゃったけど女の子なんて化粧さえある程度ちゃんとしていればいいのだ。うん。うん・・・






「あ。ナマエちゃん!!こっちこっち。」

待ち合わせ場所に行くと紫さんは私を見つけて手を振ってくれた。
というか、今日は仕事がごたごたしてしまってちょっっと遅れてしまったのだ・・・

『ごめんなさい。遅れてしまって。』

「ん〜全然大丈夫。てかいきなり誘っちゃったしね。仕事お疲れ様。」

『あ。はい。お疲れ様です!!』


ちょっと走ってきたせいか、身体が熱い。
変に汗かいちゃったかも・・・うぅ

てか・・・紫さん今日スーツだ!!わ。ちょ。
かっこいい。なんか顔熱い!!
パタパタと手の平で顔を扇いでいると、それを紫さんが横目で見て、ふっと優しく笑った。

あぁ!!もぅ。顔が熱い!!!


「じゃぁ、いこうか。」
そう言って二人並んで歩き出す

出会った時もこうして二人で歩いたっけ、あの時は不安感とかでドキドキしてた
今もドキドキしてるけど、全然違う



『スーツ格好いいですね。』

「え?そう?はは。ありがとう。普段仕事は別にスーツじゃない時もあるからねぇ。」

『そうなんですか?なんか・・・シュッとしてて格好いいです!!』

ワインレッドのネクタイがもの凄く綺麗で、シャツの襟淵とかボタンなんかもいちいちオシャレだ。
紫さんに本当に似会っていて、格好良さ倍増な気がする



そんなぽわぽわとしているとお店に到着したようだ
メインの通りから一本少し細いところに入って、地下への階段を下りて中に入る
お店の中は、居酒屋?(創作料理屋ってやつ?)なんだろうけれど暗めの照明でとても落ち着いていて、一見バーみたいにオシャレな感じだった。
でも頑張りすぎていないって雰囲気。

私は外食なんてめったにしないから、こんなに素敵な雰囲気なお店があるのかぁ。さすが都会。なんて思ってしまった。




美味しい料理ばっかりで
お酒もたくさん種類があって
私たちの会話も弾んでいた




ふと、紫さんのピアスに目がとまった。仕事のときもピアスしてるのかな?両耳に一個ずつなのかな?なんて思っていると

「ん?どったの?」

『あ。ピアスって一個ずつなんですか?』

「そうだよぉ。ナマエちゃんはピアス・・・してないよね。」

『はい。ピアス格好いいなって思うんですけど、現実的に開けようって思ったことはないんですよね。
多分家族とかも開けてる人いないし。機会があればちょっと気になってるんですけどね。まぁいまさらですけど。』


ピアスはほんとうにオシャレだと思うし、格好いいとおもう。でも別に信念があるわけじゃないけど、開ける。という選択肢が自分の中で現実味を帯びないのだ。
でもピアスは好きだから、友達とかが開けようかなって言うと賛成するって感じなのだ。笑
それに周りのピアス開けラッシュが大学だったし、今はもう社会人だし・・・いまさらって気持ちもある。あは




『それに私耳たぶちっちゃいんですよ。だからイヤリングとかもあんまりしないし。』

「へぇ・・・そうなの?」

そういって紫さんの大きな手の平が私の頬をかすめて

耳へと触れる



「あぁ・・・確かにちっちゃいかもね」
そう言いながらヘラりと紫さんが笑う



え・・・。みみ。触って・・・
耳が熱い
顔も熱い

思考回路は〜ショート寸前♪
頭の中でセーラー○ーンの曲が流れた







『ぁ。えと、流星群!!』

「ん?」
ゆっくりと紫さんが私の耳から手を離す

『あっと、流星群みましたか?この前プラネタリウムのときも紹介あったし、みたかったんですけど、あんまり見えませんでした。』

無理矢理の話題を無理矢理そのまま進行させる

「あぁ!!俺も見たよぉ。でもやっぱ東京だしね。あんまり見えなかったね。」

『本当の満天の星空っていうのを観てみたいです。』

「じゃぁ。今度一緒に見に行こう。満天の星空。」

『いいですね!!見に行きたいです!!』

「天文台があるとこにいって、それも見よう!!」

『はい!!』




あぁ。もう・・・やっぱり私はこの人が好きなんだなぁ。



無邪気な笑顔も好きだと思う
でも彼を知るたびに
優しくふわりと笑う彼をみると、胸がぎゅーっとする








*************
なんだか急接近か?耳触るって確信犯じゃないのか。紫たん・・・。

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