キミといただきます。

□カレーライス大盛り
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最初はちっちぇなぁと思った。
同い年と聞いてびっくりした。
てっきり高校生くらいかと思ったから。

そう言ったら
こっちこそ警察官って聞いてこんな不良でいいんかと思ったよ。なんて笑顔で言ってきやがった。



やっぱり俺の天使は夏希しかいねぇなあ。






ばあちゃんが死んで二回目の夏が来ようとしている。
寂しいけど、そんなこといつまでも言ってらんねぇし。
仕事もきっちりこなせるようになってきて、俺も一人前かなぁ。なんて思ったりしてる。

相変わらず休みのたびに夏希がアイツを連れてくるもんだから
面白くもなんともねぇし。
夏希はぜってぇあんな奴には渡さないからな。
親戚連中ときたら持て囃しやがって……俺が許さねぇよ。まったく。


親戚連中には俺にはそろそろいい人いないかと。そればっかし。
俺は夏希が好きなんだ。
そんなんだから。とか、んなこと知ったこっちゃねぇ。
だいたい女なんて知り合いもそんないねえし
仕事してたら出会いなんてないわけで




『あ。しょうた!!』


後ろから高い声が聞こえた。
振り返ると俺の唯一の女友達の名前がいた。


『仕事終わったと?今帰り?』


ニコニコと話すこいつとは1年前くらいに知り合った。
ばあちゃんの知り合いんとこで働いてる奴で、九州?出身らしい。
知らない土地に女の子で一人暮らしだし、実家もなかなか帰れないから
同い年の俺がよくしてやってくれと叶んとこのじいちゃん(名前の職場の先生)と
ばあちゃんにも言われていて
実際に会ったのは
ばあちゃんが死んでからだったけど

なかなか気が合う奴で、最近じゃよくつるんでいる。

名前はばあちゃんと少ししか話したことはないみたいだけど
ばあちゃんは偉く気に入ったらしく、俺とも会う機会があれば仲良くしてくれ。と言っていたみたいだ。


「あぁ。今帰りだ。名前もか?今日ははやいな。」


『おーお疲れぇ。今日は終わるのはやかったんだぁ。
明日休みだしね。いやぁ一週間頑張ったよ。』


「お。俺も明日休みなんだよなぁ。プレステしに行こうかな。今日の晩飯は?」


『プレステ?久しぶりだねぇ。いいょー今日はねぇ。ぐふふ。
名前特製カレーなのだよ。』


「よっしゃ。ならお邪魔するわ。」

『ほーい。お邪魔されます。美味しいカレーばつくったげるよ。』


名前といるのは落ち着く。変にきゃぴきゃぴしてないから話しやすいし
なんだか小せえからか
世話してやりたくなる。(笑)


名前が一人暮らしで友達もいないって聞いてから
よく絡んでいる。
俺の友達から貰ったプレステを名前ん家に置いて二人でゲームしたり、DVD観たり。


すげぇ居心地がいい。

おまけに名前は女子としては珍しく車に興味があるらしく
車の話しを楽しそうに聞いてくれるのがまたいいんだ。


いやぁ。まぢいいダチを持ったわ。



二人で並んで

たわいもない話しをしながら

歩く。








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