キミに伝えたくて

□明かせない本性
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ここに住んでいるカップルは皆何か抱えてる奴らばかり

俺は彼女に本当の自分を隠してる

ずっと言い出せなくてここまできてしまった

一緒に住めばバレるのは時間の問題

それでも俺はまだ言えずにいた。







「本当に急な引っ越しだったね」

「俺のせいじゃねぇぞ?」

「わかってるよ」


俺今枝俐空と彼女の松井玲奈は数時間前このアパートに引っ越してきた。

付き合ってもうすぐ2年になる


玲奈が二個上だから最初は俺がわがままばっか言ってたなぁ

最近はもう落ち着いてきて玲奈が高校を卒業

1人暮らしするって言うからじゃあ俺もって

2人で引っ越し先を探してたときに隣に住む優がこの家に誘ってくれた。


「俐空は本当に引っ越して良かったの?」

「当たり前だろ
玲奈と一緒なんだから」

「そっか…」


コツンと俺の背中におでこを当ててくる

こんなことも2年前じゃ有り得なかった。


「荷物片付けられないだろ?」

「後じゃダメ?」

「いいよ…」


可愛い玲奈に言われたら断れない

仕方なく動かしていた手を止める


「止めたから背中じゃなくて正面に来いよ」


そういうと俺の前に来て背を向けもたれ掛かってきた。


「あれからもうすぐ2年たつんだな」

「まさか中学生の俐空を好きになるなんて思わなかった」

「出会いがナンパだしな」

「マセた子だと思ったよ」

「だって可愛かったんだもん…」


自分でも高二の女子高生ナンパするとは思ってねぇよ

一目惚れなんだから可愛いもんだろ



「拗ねないでよ」

「拗ねてねぇ…」

「もう…」


仕方ないなぁと言いながら俺の方を向く。


「あの時俐空が私をナンパしなかったら今付き合ってないんだよ?」

「だから…?」

「私をナンパしてくれてありがとう」

「なんか複雑…」

「お礼言ったのに…」


冗談なのにわかりやすく落ち込む玲奈

可愛いなぁ〜

ナンパしといて良かった


「嘘々、嬉しいよ」

「意地悪…」

「ごめんな」


頭を撫でると首筋に顔を埋めてきた。


「意地悪すると顔埋めてくるのは昔からだな」

「むー」

「ははっ
今日はデレる日か?」

「しらないよ」

「うわっ」


いきなり体重をかけてきたから支えられなくて後ろに倒れる。


「今日からここに一緒に住むんだね…」

「あぁ、ずっと一緒だ」


顔を上げた玲奈に唇を重ねて舌を入れる

激しく動き回る俺の舌に
玲奈はなんとか答えようとする


「…んっ……ん…」


クチュ…クチュ…


玲奈の甘い声と舌が絡み合う音が
2人しかいないこの部屋に響く



目をつぶってお互いにお互いを感じてたのに…

「俐空きたぞー!」

コイツのせいで打ち砕かれた。


「あ…」


しかもキスしてる最中を見られ
3人で顔を見合わせ固まった。


「昼間っから盛ってんの?」

「お前にだけは言われたくねぇよ!」


良い雰囲気だったのに!

玲奈は恥ずかしさで胸に顔埋めてるし

ホント最悪…

あとで陽菜にシメてもらおう

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