キミに伝えたくて

□伝えたい思い
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俺が抱えてるものは伝えられないこの気持ち。

俺より一個下の彼女は、
大学でも超の付くほど優秀

頭も良くて、可愛くて、

極めつけは優しく謙虚な性格


そんな上出来な彼女を持つと、
自分が邪魔にならないか心配になってくる

でもそれは彼女も同じらしく、

この前陽菜と優に


「2人とも本当の気持ちを伝えなきゃダメ!」

「そうそう、俺みたいに!」

「それはちがう」

「なんで!?」


こう言われた。

でもそう言われたって
直ぐに実行できない…


「朔夜さん?
ぼーっとしてどうかしたんですか?」

「えっいや、何でもないよ」

「変な朔夜さん
あ、今日玲奈ちゃんたちが引っ越してきたみたいですよ」


そっかぁ

今日は俐空と玲奈が来る日だった


「じゃあ引っ越しの手伝いがてら会いに行こっか」

「はい♪」


嬉しそうに返事をして微笑んでくる。

そりゃそうだよな

玲奈とりんちゃんは親友同士

こんな近くにいられるようになったらさぞ嬉しいだろう

俺は玲奈にりんちゃんをとられそうで怖いけど…。



二人は俺たちの上の階に住むことになった

部屋を出て二階に上がりチャイムを鳴らす。


ピンポーン


「はーい」


直ぐに玲奈の声が返ってきて扉が開かれる


「ゆきりん!」

「玲奈ちゃん!」

「また近くにいられるね♪」

「うん!
これからもよろしく」


女の子2人は玄関で大盛り上がり。

昨日大学で会ったんだけどな…


「おじゃましまーす」


玄関に来なかった俐空を捜す


ん〜何処にいるんだ?


「優の次は朔夜かよ…」

「うわぁ!」


いないと思ったらソファーに寝転び拗ねていた。


「なに拗ねてんだよ」

「さっきはキスしてる最中に優くるし、
今度はいい雰囲気だったのにお前がくるし…
俺の幸せを返せ」


こういう小さなことでいじける時は
やっぱ高校生だなぁって思う

最近は少し大人になってたから


「まだいじけてるの?」


玄関から入ってきた玲奈が俐空に近寄る。


「今日は散々だ…」

「そういうこと言わないでよ
しょうがないじゃん」


そう言って頭を撫でる玲奈は
いつも優しい顔をする。

本当に俐空が好きなんだって思うんだ



今ではラブラブの二人だけど昔は違った。


俐空とりんちゃんは昔付き合ってて、

ナンパからってのも重なってか玲奈は俐空を信じてなかった。

でも俐空が変わらず好きで居続けたから
今の2人があるんだと俺は思う


「2人が同妻するなんて思いませんでしたね」


俺の心を読んだのかそう言ってきた。


「最初はガタガタだったからね」

「私もヒヤヒヤしてました」

「最初俐空が玲奈と付き合ったときどう思った?」


あまり聞かないことを聞くと
りんちゃんは黙ってしまった


「ごめん、やっぱり忘れて」

「凄く悔しかったです…
私の方が俐空を好きなのにって…」

「りんちゃん…」

「でも朔夜さんに会って、
別れて良かったって思ってます」

「どうして?」

「今が凄く幸せだからです」


そんなこと思ってくれてたんだ…

嬉しすぎて言葉が出てこない


「俺も由紀といれて幸せだよ」


ん?


「え?」


俺もりんちゃんも頭に?が浮かぶ

俺は由紀って呼ばないし

この声は俺の声じゃない

後ろを見るとニヤニヤした俐空が隠れていた。


「勝手に俺の後ろで喋るな!」

「朔夜の代わりに気持ち言ってやったんだよ」

「お前っ」

「言えよ
由紀待ってんぞ」



こういう時、
こいつは大人になるからちょっと悔しい…

だから見返すようにこう言ってやった


「りんちゃんといれて
俺は一番の幸せ者だよ」

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