キミに伝えたくて

□素直になれない心
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素直になれないのは
俺じゃなくて彼女の友美

陽菜を越える究極のツンデレっぷり

デレなんてここ最近見てないような気がする。


「才我ー」

「なに?」

「ともココア飲みたい」

「はいはい」


俺はいつもともちんのワガママを素直にきく

別に嫌じゃないし

いや、たまに嫌な時もあるけど…

それでも聞けるのは彼女が可愛いから


これは多分みんなが思ってること。

俐空が玲奈に本性を言えないのも、

優が陽菜にいつも言葉を投げかけてるのも、

朔夜がゆきりんに本音を言えないのも、

全部彼女が可愛くて仕方ないから

好きだから言えなかったり
伝えられない思いがある 。

俺はそんなこと無いけどな


「まだー?」

「今持ってくよ」


ココアを渡すと嬉しそうに笑い八重歯を覗かす。


「ありがとう」

「いいえ」


ともちん横に座って自分用のコーヒーを飲む

唯一俺が出てこないことは
彼女に反論できないこと

付き合ったときから俺は彼女のワガママをきいてる。

嫌なときも断れないのは
やっぱり君が好きだから



「才我さぁ」

「ん?」

「よく5年間もとものワガママきいてられるよね」

「まぁとんでもないワガママがないからね」

「例えば?」

「デートを急にドタキャンしたり」

「にたようなことしてるじゃん…」

「気に入らないことがあるとすぐふてくされたり」

「才我がご機嫌とらなかったら一緒じゃん…」

「何もしてないのに怒るとかさ」

「八つ当たりはする…」


思うならなおせばいいのに…

でも似たようなことをしてるだけで
ともちんは俺が言ったことをしていない

少しの違いで気持ちは変わるんだ


「疲れない?」

「疲れるよ」

「なら…」

「それでもともちんだからワガママきけるんだよ」

「どういうこと?」


コップを置いて彼女を抱きしめる。


「好きだからワガママきけるんだよ」

「才我…」

「どんなワガママも全部可愛く思えるんだ」


彼女は小さく俺の脇の服を掴む。


「だから気にしなくていいよ」

「才我ぁ…」


今度は俺にぎゅっと抱きつく。

これは久し振りのデレ期だな…


「ごめんなさい…」

「謝ることじゃないよ」

「とも…」

「言わなくて良い
全部わかってるから」



ともちんがツンツンするのは俺が好きだから

自惚れじゃないけど
そうじゃなかったら付き合ってない


「好きだよともちん」

「うるさいゴリラ…//」


やっぱりデレ期なんかじゃなかった

でも照れてるってことは
嬉しいってことだよな。

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