キミに伝えたくて

□大好きな彼
1ページ/2ページ

俐空が何かを隠していることは
なんとなく気づいてた。


デートの時もドタキャンされることはあったし、

イチャイチャしてるときに出て行くこともしばしば…


今日も用事があるらしく
大学まではゆきりんたちと行った。


偶然か必然か
ここに住むみんなは全員同じ大学

俐空だけは高校生だから違うけど…


「また俐空用事?」


「うん、朝私が起きてすぐ出てったよ」


「あいつなにやってるんだろうな」


「さぁー」


俐空がいない朝は
何回迎えてもなれなくて寂しい


おかしいなぁ

もうそろそろ馴れても良い頃なのに…


「寂しいよねやっぱり」


「ゆきりん…」


「大好きなんだから馴れなくて当たり前だよ」


「大学着けばどちらにしても離れるのにね」


「私も学科違うから
朔夜さんと離れるだけで寂しいよ」


「りんちゃーん
俺も寂しいよ〜!」


「もう朔夜さんったら…」


ゆきりんと朔夜さんは本当に良いカップル

お互いがお互いにしか見せない顔がある

それは当たり前のこと

でも、俐空は私にしか見せない顔があるのかな?


「そういえば最近CHE-Nっていうグループ人気だよね」


「私あの憐音が好きー」


「陽菜〜
俺と憐音どっちが好き?」


「憐音」


「がーん…」



最近凄く人気なダンス&ボーカルユニットのCHE-N

そこの憐音って言う人は一番人気で私でも知ってるくらい


アイドルだからゆきりんが大好きで雑誌を良く見せてもらう


そこで最近気が付いたことがある

それは憐音は限りなく俐空に似てるということ


髪型とかは全く違うけど
顔の輪郭とか鎖骨にあるキズの位置が全く一緒


だから怪しくて仕方ない

俐空に話してみたこともあったけど、
知らないって言われておしまい


私の思い違いなんだろうけど


「玲奈ちゃん行こっか」

「うん」


大学に着き、
それぞれの学科に行き講座を受ける。


「であるからして…」


「はぁ…」


いつもは真面目に受けている講座も
今日はどうしても受ける気になれない。


「玲奈ちゃん今日は休んだら?」


心配したゆきりんがそう言ってきた。


「でも…」


「私が言っといてあげるから」


「じゃあ医務室で休んでるね」


「帰らなくていいの?」


「帰っても俐空いないし
1人でいても寂しいから」


「わかった
体気をつけてね?」


「ありがとう」


私は講座を途中退室して
医務室に入った。



「失礼します」


「どうしたの玲奈?
珍しいね」

「今日は講座受ける気になれなくて…
すいません…」


「玲奈もあの少年がいなくなるとこうなるんだね」


麻里子先生は私の事情がお見通しみたい。


「今日校門に少年いなかったし」


「休ませてもらってもいいですか?」


「どうぞ」


ベッドに寝転ぶと
自然と瞼が落ちてきて、

いつの間にか眠っていた
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ