キミに伝えたくて

□変わる瞬間3
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夜中に目が覚めると
腕の中に玲奈が裸で眠っていた


「そういえば玲奈に抱いてって言われたんだっけ」


俺が昔に戻る日の夜を

こうして過ごすのはもうだいぶ前から

玲奈も不安なんだろう


わかっててもやっぱり
由紀を抱きしめているのを見るのが辛くて、

キスをしてるのが悲しいんだ


だから毎回戻るとせがまれる

別に断る必要がないからヤるけど。


「俐空…」


不安そうに呟く彼女の頭を撫でると

安心したようにまた寝息をたてた。


「はぁ…」


大会は毎回バスケをやった気がしない


感覚では何があったか覚えてる

けど自分がやった気になれないんだ


「バスケしてこよ」


夜中だし誰もいないと思い玲奈に軽くキスをし、

ズボンだけ履いて部屋を出た。


「夜空キレイだなぁ…」

「本当だね」


ビックリして横を見ると 隣の部屋の陽菜がいた


「陽菜…」

「何そのキスマークの数」

「え?」

「凄いついてるよ?」


体を見てみると胸ら辺に数個発見した


「特に首あたりはね」


見えないけど多分結構ついてるんだろう


「玲奈にやられたんだ」

「そうなるな」


「俐空は私のって証明してるわけね」


「陽菜は優につけないのか?」


「つけるよ?
でもゆうちゃんにつけられる方が多いかな」


「そりゃそうだろう」


あの変態がつけなかったら頭でも打ったかと思う



「こんな夜にどうしたんだ?」


「なんだか眠れなくて」

「優は?」

「いびきかくほどぐっすり寝てる」

「あいつらしいな」


「俐空は?」


「バスケしようと思って」

「バスケ?
今日…もう昨日か、
大会だったのに?」

「やった気になれなくてさ
だからいつも夜中近くの公園でやってるんだ」

「あ…」


何のことか分かるよな


「ごめん…」


「謝ることじゃねぇよ
それに、俺は仕方ないって思ってるから」


「俐空って昔に戻ったときどんな感じなの?」


「普通だよ
でもなんかふわふわしてる
玲奈で感じる心を
由紀で感じてるんだ」


「そうなんだ…
それってやっぱり辛い?」


「辛いよ…
戻ったときはいいけど
現実に帰るとみんなに申し訳なくなる。
玲奈に辛い思いさせて、由紀に気を使わせて、
朔夜に苦しい思いさせてる。
みんなに迷惑がかかってることだから」


「もう治らないの?」


「多分な」


治せるなら治したい

でもそううまくいかないのが現実なんだ



「俺もう行くな」

「あ、うん
バスケ頑張ってね」

「陽菜は早く寝ろよ」


陽菜と別れて公園に行った。
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