キミに伝えたくて

□不器用な恋心2
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「こんなもんいらねぇだろ」


「あ、ちょっとっ」


玲奈が読もうとした手紙を後ろから奪って

グシャグシャに丸めた。


そしてこの“ゴミ”を

近くのゴミ箱に投げ捨てる


「どうしてそんなことするの?」


珍しく玲奈が不機嫌だ

けどそれより不機嫌なのは俺の方なんだよ


「あんなの明らかにラブレターじゃねぇか
見せる必要ねぇだろ?」


「でも大事な用事かもしれない」


「会ったこともないようなやつから大事な用事がくるのか?
それこそ告白だろうが」


「それでも渡されたのは私なんだから
勝手に捨てたりしないで」


あーそうですか

段々腹立ってきた

このままだと玲奈にぶつけそう…


「はぁ…
じゃああれ読んでそいつと会ってこればいいだろ」


結局こうなるんだよなぁ

俺は怒って去っていく

玲奈は姉貴みたいにあとから宥めにくるだろう


それが嫌なのに

玲奈は本当に一人の男として見てんのかよ…


はぁー

まじため息しかでねぇ…

医務室行ったら麻里子いるかな



コンコン


「はぁい」


ノックすると中からいつもの声が聞こえてくる


麻里子に相談しよっと


ガチャ


「麻里子〜」


「おっ、
どこの子供かと思ったら俐空じゃん」


「子供じゃねぇ!」


「真面目に反論するとこが可愛いねぇ」


俺遊ばれてる?

まぁ今日はその方が良い

俺がベッドに寝転ぶと

麻里子はそのベッドに腰掛けた。


「何かあった?」


「別に?
なんもねぇよ」


「玲奈と喧嘩でもした?」


「……。」


「図星か…」


「なんでわかったんだよ」


「なんとなく」


「はぁ?」


「嘘々、
玲奈のことでなんかあると俐空はネックレス掴む癖があるから」


え…

自分の手を見ると確かにネックレスを掴んでいた

自分でも気がつかなかった。


「よく見てんだな」


「高校生は珍しいからね
篠田の周りには俐空ぐらいしかいないし」


「へぇ〜、そっか」


「それで
どうして喧嘩したの?」


「玲奈にラブレターがきたんだ」


「わぁお
モテるねぇ前からだけど」


前からなんだ…

大学生活中のことは全く知らない俺

俺がいない間にも告白されてんだろうな…

玲奈可愛いし…



「俺嫉妬しちゃってさ
友美から手紙を受け取った瞬間
その手紙をグシャグシャにしちゃったんだ…」


「俐空それは駄目だよ」


「だよな…」


「それはラブレターだったんだろうけど
玲奈には見る権利があるそれを奪っちゃいけない」


「うん…」


「嫉妬しちゃうのはわかるけどね
もう少し大人の対応をとらないと玲奈も困っちゃうよ」


「玲奈は大学生と付き合った方が良いのかな…」


俺みたいなガキと付き合ってたら絶対迷惑だ


「それだけは勝手に決めちゃだめ
俐空がたとえそう思ったとしても
玲奈が言わない限り違うんだから」


「麻里子…」


「付き合ってるってことは
俐空を一人の男として見てるってことだよ」


「ありがとう」


やっぱり麻里子に言って良かった

大人の判断してくられるからな

俺だけだったら絶対ダメだった
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