キミに伝えたくて

□学部旅行5
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「玲奈どこ行ったんだ?」


「多分ここ等辺だと思うんだけど…」


俺と優はいつまでも帰ってこない玲奈を探していた。


「あ、いた!」


「優ちょっとまてっ」


今にも走っていきそうな優を止める。


「何で止めんだよ!」


「玲奈以外に誰かいる」


「誰かって誰だよ」


「あれは…、
憐音じゃないか?」


「俐空がいるって?
あいつ今トーク中じゃねぇのかよ」


優と木の影から2人を覗く。


「何を密会してるんだ…」


「つーか2人会って良いのか?」


「玲奈は憐音が俐空だってこと知らないはず」


「じゃあどうして抱き合ってんだよ」


玲奈は結果俐空にベッタリだからなぁ


知らない男に抱きつく訳がない


ということは気づかれたか?


「さ、才我っ」


「なんだ?」


「俐空と玲奈がキスしてるぜ…」


「なに!?」


マジだ…

あれは完璧にしてるな


しかも一方的じゃなくてお互いに受け入れてる。


これは後で呼び出すしかない


「優、今来た振りして二人のところに行くぞ」


「わかった」


少し戻って上から玲奈を呼ぶ。


「玲奈ー!」


「何処にいるんだ?」


その声に反応して2人はバッと離れた。


そりゃそうだよな


知らない人にバレたら即週刊誌行き


玲奈に憐音が俐空だってことも知られちゃうし


「才我さんと優さん…」


「いつまでも帰ってこないから心配したぞ?」


「すいません…」


「謝らなくて良いよ
俺たちちょっと用事あるから
先に朔夜のところ戻ってて」


「はい…」


返事をしたものの玲奈は憐音をチラチラ見ていた。


何か言いたいことでもあるんだろうか


「なんだ?」


その視線に気づいた憐音は冷たく聞いた。


「あのっ
助けてくれてありがとうございました…」


「別に…」


「失礼します…」


最後に憐音が微笑むと

安心したように戻っていった。


「じゃあ俺も失礼…「帰らすわけねぇだろ」やっぱり?」


憐音にはまだ話があるからな


抱き合ってたこととか

キスしたこととか

玲奈に何があったとかな
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