キミに伝えたくて

□学部旅行6
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3日目の京都は午前中だけ満喫して

午後はもうバスで帰っていた。


「楽しかったなぁ3日間」


「そうですね…
ずっと朔夜さんといられて良かったです…」


相槌を打つりんちゃんはとても眠そうだった。


そりゃそうだよね

昨日結構遅くまでイチャイチャしちゃったし…


「眠いなら寝て良いよ」


「でも…」


「俺の肩貸してあげるからさ」


「じゃあお言葉に甘えて…」


目を瞑り肩に頭を預けてくると

直ぐに寝息が聞こえてきた。


やっぱり眠かったんだね


優のところも同じなのか二人共眠ってて、

才我たちは違うだろうけど夢の中。


起きてるのは俺と隣の席で一人何かを悩んでる玲奈だけだった。


「玲奈」


「あ、何ですか?」


「何か悩み事?」


「はい…ちょっと…」


「俺で良ければ聞くよ?」


「ありがとうございます…」


りんちゃんの頭を膝の上に乗せて

玲奈の方へ向き合った。


「実は…」


憐音と抱き合った?

それにキスもしたって…


昨日絡まれたことから話してくれた。


憐音が俐空か…

確かに似てはいるけど
それは違う様な気がする。


もしそうだったら陽菜やりんちゃんが気づくはずだ。


「正直に話した方がいいですよね…」


んー、どうなんだろう


憐音とキスしたのはいけないことだけど

黙ってればバレない気もする…


「玲奈はどうした?」


「私は…
やっぱり正直に話したいです
嘘ついてるとモヤモヤするので…」


「じゃあそうするべきだ自分が思った通りにやった方が良いよ」


「朔夜さん…」


「もし泣かされたら家においで?
りんちゃんと一緒に慰めてあげるから」


「ありがとうございますっ」


玲奈は決心したみたいでそこから揺らがなかった。


でも正直が一番だよねぇ

隠し事はお互い嫌な気分になるし


「朔夜さんは隠し事ありませんか?」


「へっ?」


いつの間にか起きていたりんちゃんに突然そう言われた。


「あるんですか?」


「な、ないよ!
りんちゃんに隠し事なんて!」


「本当ですか…?」


「本当だって〜」


「ふふっ
わかってますよ♪」


意地悪りんちゃんだ…


わかってるくせに聞くから動揺する


「りんちゃんこそあるんじゃないの?」


「ありませんよ」
同じように意地悪しようとしても

こんな笑顔で答えられたら何も言えない。


「楽しかったですね
この3日間」


「うん
着いてきて良かった」


「私も朔夜さん来てくれて良かったです
離れてたらこんなに楽しめませんでした」


「りんちゃん…」


「大学で浮気してるんじゃないかって不安になります」


「そ、そんなことしないよ!」


「わかってます♪」


なんだか今日はりんちゃんに振り回されてる気がする…


けどこの笑顔みたら何でも許しちゃうんだよね

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