キミに伝えたくて
□浴衣の彼女は誰よりも綺麗3
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「才我行こ?」
「え、あ、うん」
ともちんが可愛い過ぎてぼーっとしてた
危ない危ない…
いつも可愛いけど今日は格別
俺が彼氏だから隣歩いてればいいんだけど、
何か場違いな気がする。
「才我手繋がないの?」
「え?」
「繋ぎたくないならいい…」
「ともちんは繋ぎたい?」
「どうしてもって言うなら繋いであげてもいいけど…//」
だけど頬を赤く染めながら言う彼女はやっぱり可愛かった。
手を繋ぐとちゃんと握り返してくれる小さい手
いつもツンツンしてるけど、
たまにこうやってされると心を鷲掴みされる。
俺にしかしないって思うと、
ともちんが彼女で良かったと思う。
「ともあれ食べたい」
指をさした先には定番のたこ焼き
一つ買ってともちんに渡した。
「おいしい?」
「うんっ」
本当に美味しそうに食べるともちんを見てると幸せな気分になる。
「はい才我」
俺の目の前に差し出された爪楊枝に刺さったたこ焼き
きっとこれは食べろってことなんだろう
パクッ
「おいしい?」
「うまいよ
ありがとうともちん」
「別に…
一個残ったからあげようと思っただけだから//」
「わかってるよ」
素直じゃないともちんにも慣れたもの
今じゃそれさえ可愛く感じる
もしかして俺ってM?
「あれも食べたい」
「あ、わかった」
とりあえずそのことは置いておいて、
たませんを買った。
「はい」
「おいしい♪」
ともちんはリスみたい
優とは違うリス。
小さくて可愛くて俺とは正反対
まぁ男と女だから当たり前だけど…
見た目だけで言うと俐空と朔夜カップルは似てる。
優と陽菜は違うけど俺たちほど正反対じゃない
ともちんは俺のどこが良いんだろう…
「才我!」
「うわっ!なに?」
そんなことを考えていると名前を呼ばれていた。
「さっきから呼んでるのにっ」
「ご、ごめん…」
「なに考えてたの?」
「いや、何でもないよ」
「才我のバカッ」
「ごめん…」
あ〜ぁ、
やっちゃったよ
確かに夏祭りになに考えてんだって話しだよな
繋いでいた手もいつの間にか離れていて、
ご立腹のともちんの後を黙って追いかけた。