キミに伝えたくて

□夜の彼女は誰?
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夏休みで部活がない日、

俺が夜公園でバスケをするのは当たり前


そしてそれを見ている彼女がいるのも当たり前


喋ったことはないけどこれが心地よくなってる


玲奈には悪いけど仲良くなってみたい


だから今日は話しかけることにしたぜ〃



「あのさ…」


「へっ?」


「いつも見てるよな」


「うん
もしかして邪魔だった?」


「いや全然っ
ただずっと来てるから
話してみたくてさ」


「そっか
私、前田敦子」


「俺は今枝俐空
えっと〜…」


「呼び捨てで良いよ」ニコッ


「敦子はバスケ好きなの?」


「見るのがね
俐空バスケするときいっつも楽しそう」


「好きだからなぁ
ここでやるときが一番集中できる
何も考えなくていいから」


「へぇ〜
そうなんだ…」


「やってみる?」


「いいの?」


「見てるだけじゃつまんねぇじゃん
やった方が断然楽しいよ」


「じゃあやってみる〃」



立ち上がった敦子にボールを渡して、

ゴールの前に連れてきた。



「あの小さい四角の右上を狙ってやってみな」


「う、うん」



シュッ



敦子が放ったボールは四角には当たらなかった。


でもその代わりそのままリングの中に吸い込まれた。



「やったじゃん!」



自分のことみたいに嬉しくて、

つい頭を撫でてしまった。



「うん//」



“ドキッ”



笑顔可愛いな…


クシャッとした独特の笑顔で返される


思わず胸がドキッとした。


ダメダメ!

俺には玲奈がいるんだっ


でも…

やっぱり可愛いものは可愛い〃



「俐空って彼女いるの?」


「うぇ?」


「クスッ…変な返事…
前女の人抱きしめてたでしょ?」


「あ〜うん、
あれ彼女だよ」


「いくつ?」


「二個違いだから19歳」


「え…
ってことは俐空21?」


「俺そんな大人じゃねぇよ〃
誕生日来てないから16」


「若いねっ
彼女さんのこと好き?」


「大好きだよ
できるなら結婚したいし」


「すごいね
高校生っそこまで考えてるんだ」


「すごくなんかねぇよ
俺はただ今の彼女と
ずっと一緒にいたいだけだから」



玲奈とずっと一緒にいたい…


この言葉に偽り何かなくて、

引っ越した時も約束した
心の擦れ違いがある時もあるけど、

俺は玲奈を絶対に離したくない。



「大切にね」


「おうっ」



その後もバスケをしたり話したりしてて、

気がつけば12時を回っていた。


ヤバッ

玲奈に怒られるかも…



「敦子時間大丈夫か?」


「え?
あ、もうこんな時間か
じゃあそろそろ帰るね」


「送ってくよ
夜道に女の子一人は危ないから」


「私あの家だから心配しないで」



指差した先には目の前の一軒家


公園の真ん前だったらさすがに大丈夫か



「わかった
じゃあまたな」


「おやすみ」



敦子と分かれて玲奈が待っている家に戻った。
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