ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□生きて…
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「蓮…。」


「……。」



あのクリスマスの夜

蓮は血まみれの姿で現れて私の前で倒れた。


約1ヶ月間見てなくてやっと会えたと思ったらあの状態

どうしていいのかわからなくて…

由紀ちゃんが来てくれなかったらきっと私はずっとパニックのままだったと思う。



「大丈夫だよ玲奈ちゃん蓮はタフだもん。」


「でも…。」


「確かに私もあの傷には驚いたよ?
今までにあんなのなかったし…
けど私は蓮なら大丈夫って信じてるから。」



そう言う由紀ちゃんだけど手は震えてるし絶対心配してる

この状況で心配しない人の方がいないよね

もう3日も蓮は目を覚まさず眠ったまま。


お医者さんの話だともう少し運ばれるのが遅かったら出血多量で死んでたかもって…

今でもあの時を思い出す度にぞっとする。



「最悪のことも考えておいてください…。」



ずっと一緒にいられるって疑いもしてなかったのに急に言われて…

蓮がいなくなるって考えただけで凄く怖くなった。



「蓮…早く起きて…。」



命はもう心配なくても蓮に目を醒ましてほしい

じゃなきゃいつまでも安心なんかできないよ…。



「蓮はね?
いつも喧嘩して傷を作って帰ってくるの…。」


「…由紀ちゃん?」


「でも…今回の傷の多さにはさすがにびっくりしちゃった…。」


「うん…。」


「だって…あんな傷…始めて見たもんっ…
血も凄くてさ…
本当に死んじゃうんじゃないかって…。」


「…蓮は、
蓮はもう大丈夫だよ…。」


「私蓮がいなくなったらどうしていいのかわからないっ。」



そう話す由紀ちゃんは隣で涙を流してる

蓮の手をギュッと握って怖かったって。


私だけじゃない

蓮がいなくなるって想像するだけで怖くなる人は

きっと仲間の人たちもそう。


喧嘩はもうしないでほしい…

次から多分こうして傷を負った蓮を見る度に胸が苦しくなると思う。


蓮のやってることは命までかけなきゃいけないことなのかな…?


喧嘩はもうしてほしくないっていうのが私と由紀ちゃんのお願い

もうこういう思いしたくないの…。


結局この日蓮は目を覚まさなかった。


そして1人残った私はみんなより先に彼の声を聞くことになる。





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