ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□光と闇
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「ただいま。」


「蓮っ。」



家に帰って来るなり抱きついてきた玲奈

大丈夫って言ったのにそんなに不安かよ…。



「何もなかったろ?
黒龍に行く度喧嘩してたら身がもたねぇっての。」


「…わかってるもん。」



俺は意識不明で3日も寝てた

多くの傷はなに1つ治ってなくて体は包帯だらけ

戦争の後だし
不安になるなって言う方が無理な話か。



「そういやどっか行くんだろ?
着替えてくるから少し離れて。」


「あ…、ごめんね。」



寂しそうな顔をする玲奈の頭を撫でて自分の部屋に行った。



「あれ?
血のにおいしねぇし部屋が綺麗になってる…。」



朝家から出てくまでは確かに血だらけだった部屋

半日で前の通りに戻ってるってことは姉ちゃんが片づけてくれたのか。



「姉ちゃんには頭が上がんねぇな。」



ベッドの上には畳まれた今から着るための服

これは玲奈のチョイスだな

姉ちゃんよりはセンスは悪くない。



「よっと…。」



ベッドに腰掛け最近のことを思い出す。


死んでいった仲間

きっともっと生きたかったはずなのに…

四龍の為に命を落とした。


大切な彼女

ヤンキーの目を見せて怖がらせ意識不明になって不安にさせた

1番大切にしなきゃいけないはずなのに俺はそれができてない…。



「俺はダメな男だ…。」



けどいつそれを全てなくせるかはわからない

闇の世界にいる時点で普通すら同じじゃない。


光の世界では生きてることが当たり前

闇の世界では死ぬことが当たり前

生きることに必死でいつも足掻いてる

そんなとこにいれば絶対不安にさせないなんて言えねぇよ。


けど感謝は光の世界の奴らよりもしてる

普通が普通じゃないからこそ普通が幸せなんだ。


だから些細なことでも身にしみる。



「ありがとな。」



玲奈も姉ちゃんもこの場にはいねぇけど礼を言って彼女のところに戻った。



「そんで玲奈はどこに行きたいんだ?」


「う〜ん…
まだ考えてない。」


「じゃあ神社行かないか?
ちょうど今日で今年も最後だし
仲間の供養もしたいしさ。」


「いいよ
じゃあ行こっか。」



扉に鍵を閉め手を繋ぎ家を出た。





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