ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□喧嘩
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「玲奈。」


「……。」


「おーいっ。」


「え、あ、なに?」


「どうしたんだ?
今日なんか元気ないぜ?」


「な、なんでもないよっ。」


「そっか…。」



最近玲奈の様子がおかしい。


みんなといるときは俺にめちゃくちゃ引っ付いてくる

けど2人きりのときはいつも上の空

手はしっかり握ってんのに寂しそうな顔すんだ。


なにかあったんじゃねぇかと思って姉ちゃんとかに聞くけどなにもない

本人に聞いても誤魔化されるだけ

どうしたもんか…。



「玲奈なにか俺に隠してることあるか?」


「…ないよっ。」


「じゃあ最近なんかあったとか。」


「ないってばっ。」


「…嘘だろ
こんな近くにいたらいくら俺でも様子がおかしいことくらいわかる。」


「蓮…。」


「話してみろよ
どんな話しでも聞いてやるからさ。」


「うん…。」



頭に手を置けば意を決したように話し始めた。



「私明後日から修学旅行なの。」


「そうだったのか?」



「それで4泊5日だからまた離れちゃうでしょ?それが寂しくて…。」


「それだけ?」


「それだけって…
私は1ヶ月間ずっと蓮と会えなかったんだよ!?ずっと寂しくて不安だった…。」


「玲奈…。」


「修学旅行も行こうか悩んでたの…
また蓮と離れるのが怖かったから。」


「会えない間にまた俺が傷つくかもしれないからか?」


「それもあるけど…
やっとまた一緒にいられると思ったのに。」



またすぐ離れなきゃいけないのが嫌か…

寂しいのはわかるけどそんなに嫌なもんか?

俺はもう平気だけど。



「蓮は別によかったの?また私と離れるようになっても。」


「けどすぐ会えるだろ?電話だってメールだってできる
あの時みたいに完全に遮断されるわけじゃねぇじゃん。」


「蓮と私の寂しさは違うんだね…。」


「え?」


「私は平気じゃない
蓮が好きだからすぐに離れるのが嫌なのに…。」



玲奈はそう言うと繋いでいる手を離した。



「玲奈?」


「寂しいのは私だけだったんだ…。」


「俺も寂しかったって。」


「私たちの寂しさは違うもんっ。」



そう言って涙目で走ってった。



「寂しさの違い…。」



そりゃ違うだろうな


俺は黒龍で育ち寂しさにはある程度馴れてる

少しまた一緒にいられるだけで十分だ。


けど玲奈は普通の家で育ってきた

寂しさにだって馴れてねぇしずっと一緒にいたいんだろう。


いつかはぶつかると思ってた数々の壁

これが最初の壁だな。


初めての喧嘩

これは俺が悪いってことになんのかなぁ。





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