ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□綾の意志を継ぐ者
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玲奈を見送った帰り俺をつけてくる奴がいた。



「なんだこいつ…。」



小学生くらいの少女

1枚の写真を握りしめ俺の顔を見て笑ってる。



「黒龍の蓮!」


「っ…
お前なんで俺の名を知ってんだ。」


「写真だよ?」


「写真?」



嬉しそうに持っていた写真を俺に見せてきた。


受け取り見てみると写っていたのは俺と綾

これは2人で撮った唯一の写真

持ってるのは俺と綾だけのはず

こいつが持ってるってことは…。



「お前…。」


「なぁに?」


「いやそんなはずは…。」



だって綾に子供がいたなんて聞いたことねぇ

それにもしいたとすれば黒龍に入ってるはずだ

誰も綾の子どもの存在を知らなかったなんて…。



「どこでその写真を手に入れた…
その写真を見て俺だとなぜわかった!」



綾のことになるとつい熱がはいっちまう

声を荒げると少女の肩がビクッと震えてしまった。



「あ、わりぃ…。」


「ううん…
その写真はお母さんから貰ったの
蓮の名前もお母さんが教えてくれた。」


「母親の名前は?」


「綾って言うの
3年くらい前にいなくなっちゃったけど…。」



綾が母親で俺が黒龍の蓮だと知ってる

…これはもう間違いねぇだろうな。



「よく見ればお前は綾そっくりだよ。」


「むっ
私お前って名前じゃない!」


「え?」


「日向ってちゃんとした名前があるもん!」


「日向…
お前は今までなにしてたんだ?」


「またお前って言った…施設に住んでたよ。」


「黒龍に来る気はあるか?」


「え…
私を入れてくれるの!?」


「綾の娘だ
総長だった人の子どもを入れるのに反発する奴なんていねぇよ。」


「やったぁ!」



嬉しそうに腰に抱きついてきたから

ガキが嫌いな俺だったけどつい頭を撫でてしまった。



「じゃあアジトに着いたら紹介しねぇとな。」


「黒龍であったこと全部教えて?」


「いいぜ
じゃあ日向も俺に綾が話したこと教えてくれよ?」


「うん!」



綾と同じ瞳を持ってる日向

この目で見られると綾がそこにいるみたいだ。





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