ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□変わらない君
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玲奈の両親に別れるよう言われたあの日から俺は嫌われるようなことを色々してきた。


冷たく当たったり、タバコの煙を吹き付けたり

ドタキャンや彼女の前で他の女と遊んだりもした。


けどあいつは変わらない

今だってこうして俺の隣にいる。


どうしたらこいつは俺のことを嫌いになるんだろう

好きなのに嫌われる方法を考えなきゃならないなんて辛い…。



蓮「はぁー。」


玲奈「どうかしたの?
そんな大きな溜息ついて。」


蓮「別になんでもねぇよ。」



頭を撫でると嬉しそうに微笑んだ。


こうやってなにも考えてなくて普通に接するときは幸せなんだけどな。



玲奈「蓮最近私にワザと嫌われようとしてるでしょ。」


蓮「え…。」


玲奈「わかるよそれくらい。
だって嫌われようとしてるときの蓮苦しそうなんだもん。」



はは…、

なんだよ全部お見通しかよ…。



玲奈「お母さんもお父さんも蓮と別れたかすぐに聞いてくるの。」


蓮「へぇー。」


玲奈「蓮何か言われたの?」


蓮「なんで?」


玲奈「だって同じ時なんだもん。
蓮とお母さんたちの様子が変わってきたの。」


蓮「関係ねぇよ。
玲奈の親になんかなんも言われてねぇ。」



そう答えると玲奈は不服そうにクッションを抱きしめた。


本当は嘘

ここで俺が事実を言えば玲奈はきっと親に抗議するだろう。


でもそんなことしたら余計に玲奈に会えなくなる気がしてならない。


なんだか急にさみしくなって彼女の肩を抱き寄せた。



玲奈「蓮?」


蓮「俺って分かりやすい?」


玲奈「大抵のことは見ててわかるよ。
でも本心はたまにわからなくなる。
だから凄く不安になるんだ。」


蓮「玲奈…。」


玲奈「本当は別れたくて嫌われようとしてるのかなって…。
好きなのは私の一方通行なのかな?」



心細そうに俺を見上げる玲奈の瞳は不安で揺れていた。





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