ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□取り戻した時間
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「冴江ちゃん。」


「どうしたの?」


「最近蓮の機嫌良さそうなんだ。」



学校が終わって冴江ちゃんと向かい合うように座り

少し前までピリピリしていた蓮のことを話した。



「そういえば玲奈と仲良く話してるとこ良く見かけるね。」


「うん。
前は冷たい顔してたのに今は凄く優しいの。」



蓮の玲奈ちゃんに対する対応は私たちの中でも話題に上がっていた。


玲奈ちゃんが蓮が学校に来ないから1人で寂しく帰るところや

嫌がらせをされてるところはよく目撃してる。


その度に蓮を怒るんだけど苦しそうな顔をいつもしてたから本意じゃないってことだけはわかってた。


「蓮の中で何かが変わったんじゃないかな。」


「変わったって?」


「何か変わらなきゃ急に優しくなんてしないでしょ?
蓮は自分がヤンキーってこと気にしてるからそれが何か関係してたんだと思うよ。
りんちゃんは蓮から何も聞いてなかったの?」


「聞くどころか会ってもなかったからわからない…。」



年が明けたくらいかな?

蓮はほとんど家に帰らなかった。


帰ってきてても部屋に篭ってるし聞いても黙ったまま

冷たく姉ちゃんには関係ないって言われるだけだった。


蓮のことを思い出して沈んでると頭に大好きな手が乗る

顔を上げたら太陽みたいな笑顔が私を迎えてくれた。



「蓮の感がえてることは俺にもよくわからないけどきっと苦しかったと思うよ。」


「冴江ちゃん…。」


「あいつ何も言わないし答えてくれないからしょうがないかもしれないけど
それでも俺は理解したい。
蓮の抱えてるものを少しでも軽くしてあげたいんだ。」


「うん。」


「でもきっと俺なんかよりりんちゃんの方が蓮は心開いてくれると思うんだ。
だから助けてあげて?
りんちゃんが苦しい時は俺が必ず助けるから。」



そう言って強く私の両手を握ってくれた。


やっぱり冴江ちゃんはかっこいい

見た目以上に中身が。


こんなに人思いな人きっと他にいない

たまには蓮に嫉妬しちゃうけどそれでも心配してくれるなんて…

優しすぎる冴江ちゃんにまた一歩恋をした。




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