ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□無視できない
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やっと今までのことが一段落して元通りに戻ったと思ったのに…


神様はまだ私たちに平穏な日々を過ごさせてくれないみたいです。



仲直りしてから私たちは今までの隙間を埋めるようにデートをし体を重ねあった。



一緒にいる時間は増えたに私の気持ちは晴れない


それは日向ちゃんが蓮の前に現れたから


蓮はきっとすごく嬉しくて私だけじゃなく色んな人に話したいんだと思う


そして今だって…



「今日日向がさぁー」



眩しい笑顔で今朝あったことを報告してくる


聞いてるの嫌なわけじゃないけど毎回毎回聞かされてると流石の私も不機嫌になるよ?


今一緒にいるのは私なのに…。




「そんでーって、聞いてる?」



「…聞いてるよ。」



「聞いてるって顔じゃねぇじゃん。」



「だって…。」



「なに?」



「蓮最近日向ちゃんの話ばっかなんだもん…
今は私といるのに…。」



「そうだっけ?」



「そうだよ…
この前だってデートなのに日向ちゃん連れてくるし…。」



「へー玲奈も嫉妬するんだ
可愛い。」




嬉しそうにフッと笑いながらそういう彼


その姿さえ憎らしく思えてしまう私は相当重症みたい。




「蓮はどうしてそこまで日向ちゃんを気にするの?」


「どうしてって…
あいつの面倒は俺が見ることになってんだからそりゃ気にするだろ。」


「それだったら一緒にいる時だけ気にしたらいいじゃない。」


「…どうしたんだよ
今日の玲奈なんか変だぜ?」


「蓮は日向ちゃんが綾さんの娘だからそんなに気にするんでしょ…?」




感情が高ぶって自然と涙目になってくる


けど絶対にこの涙は流さない


泣いたら蓮は本当のこと言わずに私を慰めてくるから。




「はぁ…そうだよ…
日向が綾の娘だから俺は放っておけない
綾は黒龍にとっても俺にとっても大切な奴だから。」




ショックだった…


日向ちゃんを放っておけないことより今でも蓮が綾さんを大切な人だって思ってることが


敵わないって…2番目でもいいって…そう決めたのに…


いざ直接ハッキリそう言われると思った以上に心にくる


決心…できてなかったのかな…?




「玲奈?」


「私、帰るね…。」


「え…?」


「じゃあ…また明日…。」


「ちょっ…お、おい!玲奈!」




後ろから驚いた蓮の声が聞こえるけど私は背を向けて歩き出す


振り返ったらこの涙は見られちゃうから…


自分の気持ちを正直に話してくれるとこは蓮のいいところ


でも今日はちょっとキツイかな…。





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