ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□浪速の赤虎
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藍「蓮、あの噂知ってる?」


蓮「噂?」


馨「浪速の赤虎が帰ってきてるんだってさ。」


蓮「へぇー
見ないと思ったらやっぱいなかったのか。」


日向「浪速の赤虎ってなぁに?」


蓮「ヤツの通り名
綾をやったうちの1人さ。」


日向「お母さんを…。」


浪速の赤虎

3年前の戦争で連合にいた虎牙の特攻隊長

ヤツが喧嘩すると血が雨のように降り下に血の水溜りができることからアメフラシとも呼ばれてる

そして虎牙はあの日綾を殺した…。


帰ってきたなら丁度いい

そろそろ虎牙をぶっ潰さねぇとって思ってたところだ

前総長の敵討ちさせて貰うぜ。



日向「赤虎…。」


藍「仕掛ける?」


馨「奇襲なら俺が先陣切るぜ?」


蓮「待てよ
まだ虎牙と戦うわけにはいかねぇ。」


馨「なんで?」


蓮「今のままじゃ弱い
特に日向がな
黒龍に入ったばっかで連携も取れてねぇ
このままじゃ仲間の命を危険に晒す。」



俺を庇って綾が死んだように

日向を庇って誰かが同じ目に合うかもしれない

それだけは絶対ダメだ。



蓮「すぐに乗り込まなくてもヤツは逃げねぇよ
簡単にやられるような玉でもねぇしな。」


藍「そういえば蓮ってあの子と仲良かったよね。」


馨「よくうちに遊びにきてたもんな。」


日向「敵なのにここにいたの?」


蓮「昔は黒龍と虎牙は仲良かったんだよ
協定結んで一緒に戦ったりしてたしな。」


日向「じゃあどうして裏切ったの?」



蓮「世代交代だな
トップが変わればやり方も変わる
黒龍は新しい総長にしてやられたのさ。」



あいつから上がごたついてるって聞いたことあったし

それを知りながらなにもしなかった俺もまだまだだった。


つくづくガキの頃の自分の無力さに嫌気がさすぜ…。



蓮「じゃあ俺そろそろ行くわ。」


日向「えー蓮行っちゃうのー?」


蓮「約束があるからまた明日な。」



膨れる日向の頭を撫でると俺の足に抱きついてきた。



蓮「おい、行けねぇだろうが。」


馨「離してやれよ
総長様は今からおデートだから。」


蓮「なんかトゲのある言い方だな…。」


藍「私たちより彼女の方が大事だもんねー。」


蓮「そんなことねぇって
じゃあな。」



日向を剥がし嫌味を背に受けて待ち合わせ場所に向かった。





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