トライアングル

□第4章
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4月も終わりに近づいた頃に1番無駄だと思う出来事が起こる。



それは体力テスト


1年の始めに必ず行われるそれが俺は大嫌いだ。




乙「よっしゃ!
学年1位取ってやるぜ!」


優「私も取る!」




運動神経抜群の乙輝とゆうちゃんは張り切ってる


でも運動音痴な俺はやりたくない


サッカー以外はまったくダメなんだ。




リク「はぁ…。」


乙「なにため息ついてんだよ。」


リク「どうして体力テストなんか…。」


乙「楽しいじゃん体力テスト。」


リク「それは運動できる人だけ。」


乙「サッカー部なんだから持久走とかは大丈夫だろ?」


リク「俺はずっとピッチには立たないんだ。」


乙「そうなのか?」


リク「残り15分になったら入るの。
だからムリ。」




体は硬いし足も遅い

力もなければ瞬発力もないんだから


乙輝に見つかりさえしなきゃあっちゃんと一緒にサボれたのに…。




優「あっちゃんは勿体ないよ休むの。」


乙「どうせあとでやらなきゃいけないしな。」


優「リク呼んできて?」


リク「なんで俺が…。
それに休みたいんだったら休ませてあげればいいじゃん。」


乙「彼氏だからだろ?
こういうのはみんなでやるから楽しいんだよ。」




その楽しさは知らなくていいしわかりたくもない 。




乙「早く迎えにいけよ。」


優「サボっちゃダメだからね!」


リク「わかったわかった。」




結局あっちゃんを迎えに行くことになって保健室へ行った。




リク「あっちゃん。」


敦「あ、リクもサボることにしたの?」


リク「その逆。
乙輝とゆうちゃんにあっちゃん連れて来いって頼まれた。」


敦「ふ〜ん。」




そう言えばあっちゃんの機嫌が悪くなってくる。




敦「頼まれたから来たんだ。」


リク「だって休みたかったんだろ?」


敦「リクが自分から迎えに来て欲しかった。」




ベッドから降りムスッとした顔を近づけられる


俺は何も間違ったことしてないと思うんだけど。




リク「あっちゃんちゃんと体操服着てるし。」


敦「迎えにくるってわかってたもん。」


リク「なんで?」


敦「あの2人が呼びに来ることくらい予想できるから。」




じゃあ最初から一緒に行けばよかったんじゃ…。





敦「なに?」


リク「なにも。
遅くなるとうるさいし行こ。」


敦「うん。」




あっちゃんの手を引いてグラウンドに戻った。





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