トライアングル

□第12章
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柏「ねぇ乙輝。」



乙「なんだ?」



柏「最近前田さんと高橋さんといる頻度多くない?」



乙「そうか?
まぁ前よりは一緒にいること多いかもな。」





リクのやつから別れ話を聞いて俺は確かにあっちゃんといることが多くなったのかもしれない。



俺は3人の中で誰かが傷つけば放ってはおけない


中学のころ失恋した優子の側にいたように今はあっちゃんが心配だ。



高橋はあっちゃんの親友だから自然と一緒にいることも多くなる。





柏「けどいいの?
リクくんも優子ちゃんといる時間長くなったけど。」





廊下を見てみればあの2人が楽しそうに話してるのが見えた。





乙「いいんだよこれで。
お互い好きなもの同士一緒にいれてよかったじゃねぇか。」



柏「乙輝…。」





確かにあの2人が一緒にいるのを見てると胸が痛む


まるで針で胸を刺されたようにチクチクしてリクから優子を引き離したい。



でもその反面邪魔しちゃいけないとも思ってる


優子が好きな人と話せてるこの時間を俺は奪っちゃいけない。




乙「早くくっつけばいいのに…。」



柏「くっついたらくっついたで乙輝が後悔するのは目に見えてる。」



乙「わかってるよ…。」





佑紀がいうことはいつも正しい


あの日も俺は佑紀のおかげで正直になれたんだからな。



優子にはリクと付き合えと言ってリクには優子を絶対渡さないって言ってる


俺は矛盾だらけだな…。



自分に幻滅してると突然俺の机が誰かにバンッと叩かれた。




敦「乙輝ー!」



乙「あっちゃんどうした?」



敦「今日たかみなとバッティングセンター行くんだけど乙輝も行かない?」





叩いた本人は最近事あるごとに俺を憂さ晴らしの相手に選び連れまわすようになったあっちゃんだった。





乙「女子2人で行った方が楽しいんじゃねぇの?
むしろ俺邪魔だろ。」



敦「いいのいいの!
それに乙輝だって憂さ晴らししたいでしょ?」





そう小声で言ってきたあっちゃんは今の俺の心境をわかってる


どうやら前から俺の気持ちには気づいてたみたいだ。





乙「まぁいいけど…。
高橋は俺がいてもいいのか?」



敦「むしろ乙輝が来てくれて嬉しいと思うよ?
ね、たかみな。」



高「ちょ、あっちゃん!」



乙「ん?」



高「いやっ、そのっ、乙輝くんが来てくれたらう、嬉しいっすっ//」



乙「そっか。
じゃあ俺も行かせてもらうよ。」



敦「じゃあ帰り下駄箱で待っててねー。」



乙「おう。」



柏「乙輝ってタチ悪いね。」





2人が教室を出て行った後佑紀にそんなことを言われた。





乙「な、なんだよ急に。」



柏「まさか気づいてないの?」



乙「え?
気づくってなにに?」



柏「はぁー
優子ちゃんも高橋さんも大変な人相手にしてるよ…。」





俺には佑紀の言ってることが全く理解できなかった。









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