トライアングル

□第13章
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高「全然ボール当たらない…。」



乙「脇もっと締めてボールをよく見ればちゃんと打てるよ。」



高「脇を締めてボールをよく見る…。」



乙「おいおい見逃してどうすんだよ。」





よかった

たかみな普通に乙輝と話せてる。



私が乙輝を遊びに誘い始めたのはリクと別れてから。



前は4人でどこかに行ったりしてたけど今はとてもじゃないけどそんな風にはできない


私たちの関係はこじれすぎた。



最初は憂さ晴らしと寂しさをどうにかしたくて誘ってたけど今は違う


1番はたかみなのため。



乙輝は自分のことになると凄く鈍くなるから気づいてないかもしれないけど明らかにたかみなは乙輝のことを意識してる


いやむしろもう好きって顔に書いてある


あんな楽しそうに男子と遊んでるたかみな初めて見たし。



乙輝が優子のこと好きなのは前から気づいてたけど一回くらい優子以外の女の子見てもいんじゃないかって思う


本人に言ったら余計なお世話って言われちゃうかもしれないけど。





乙「おっ!
やっと当たったなぁ〜。」



高「如月くんのおかげだよ。」



乙「そりゃどうも。
あっちゃんはやんねぇの?」



敦「今からやるよ。
ボールをリクだと思ってかっ飛ばしてやるんだから!」



高「あっちゃんそれはちょっと…。」



乙「リクのやつかわいそうに…。」





そうやって意気込んだものの運動音痴な私がそんなことできるわけなくて


気持ちと想像はホームランだったけど結果は全球空振り


乙輝に一球くらい当てろなんて言われることに。





乙「変わってみな
俺が見本見せてやるから。」



敦「ボール当たっちゃえー。」



乙「ひでぇな…。」





運動神経抜群の乙輝が空振りなんかするわけなくて


気持ち良いくらい打球を飛ばしてた。





高「かっこいい…。」





そんな乙輝をたかみなは恋する乙女の顔で見ててちょっと気持ち悪い。





高「何か言った?」



敦「ううん何も?」



乙「ふぅ〜
これくらい打てなきゃバッティングセンター来ても楽しくないよなー。」



敦「なにそれ嫌味?」



乙「あっちゃんは空振りでも楽しそうだったぜ。」



敦「気持ちはホームランだから。」





ゲームを終えた乙輝に少々嫌味を言われつつも私たちはこの後もゲームを楽しんだ。






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