トライアングル

□第14章
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乙「やっと明日でテストが終わるー。」



優「今日の出来はどう?」



乙「バッチリに決まってんだろ?
あんだけやらされたんだから…。」





この1週間毎回のことだけど勉強苦手な乙輝にテスト範囲の問題を詰め込んであげた。



ギリギリでこの学校に入った乙輝にとってテストは難しいらしく教えて上げないと悲惨なことになる


まぁそうなら授業ちゃんと受けろって話なんだけどね。





優「じゃああとは明日の二教科今日できるだけやるよ!」



乙「またいつもみたいに夕方からでいいだろ?」



優「だーめ。
特に英語と古文苦手なんだから早めにやらないと時間足りない。」



乙「へいへい…。」





嫌そうにため息ついてるけど乙輝の集中力と吸収能力は本当に凄いと思う


ちゃんとゆっくり教えれば課題の問題くらいあっという間に解けちゃう


コツコツ勉強してれば相当良い点数取れて頭良い分類の人に入るんだけどなぁ。





乙「さてどっかで飯でも食って帰るか。」



優「乙輝の奢り?」



乙「はぁ?
なんで俺が優子に奢るんだよ。」



優「バイト代。
この1週間勉強教えてあげたでしょ?」




乙「半強制的だろうが…。
でもまぁ優子のおかげってのは確かだし昼飯ぐらい奢ってやるよ。」



優「やったー!」



リク「ゆうちゃん。」





乙輝とお昼ご飯の約束をしてたらHRを終えたリクに声をかけられた。





乙「リク…。」



優「どうしたの?」



リク「よかったらこれから俺とデートしない?
せっかくテスト中でお互い部活もなくて早く帰れるし。」



優「デ、デート//!?」



リク「イヤかな…?」



優「い、いやじゃないけど、でも…。」





リクからデートに誘われるなんて思ってもみなかった。



嬉しいと思う反面なんだかちょっと複雑で…


乙輝との約束もあるしなにより勉強教えておげないとテストが危ない


どうしようかと迷っていたら乙輝が口を開いた。





乙「いいじゃん、
行ってこいよデート。」



優「え…?」



乙「せっかくリクが誘ってくれたんだから俺のことはいいから行ってこい。」





笑顔で乙輝に言われて信じられないくらい胸が苦しくなった。



前ならなにも感じなかったかもしれないけど今は違う


告白されてしかもこいつのことが好きかもってやっと気づいたのに…。





リク「いいの?」



乙「あぁ、
別にそんな大切な約束でもなかったから。」



リク「そっか。」



乙「わりぃ優子、飯はまた今度奢るよ。」



優「いいよ、気にしてない。
リクいこ。」



リク「うん。
じゃあまたね乙輝。」





私はこの時自分の胸のいたさに耐えるのに精一杯で乙輝の本当の表情に気づいてあげられなかった。








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