トライアングル

□第16章
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あの日結局優子はウチに来なくてただでさえ苦手な古典と英語


自分で勉強なんてできず悲惨な点数を取ることになった。




乙「やっべ…。」



柏「乙輝その点数は…。」



乙「いうな佑紀
これが勉強しなかった結果だ。」



優「すごいの取っちゃったね…。」





二教科とも一桁という驚異の点数を取ってしまった俺


おかげで夏休み補習を受けることになった。





優「ごめんね私が教えてあげられなくて…。」



乙「気にすんな
行けって言ったの俺だし…。」



柏「でもこの点から平均点はなかなか難しくない?」



優「それができちゃうのが乙輝なの。」



柏「ちゃんと勉強しなよ?
やればできるならさ。」



乙「はは…。」





今回は笑い話にすらならないけど俺が勉強しないのにはある理由がある


それを今2人の前で言うわけにはいかないけどな。



けど優子の教え方が上手くて高得点取れるのは本当のこと


授業聞いてても古文と英語はなに言ってるのか意味不明だ。





乙「秋元先輩に絶対怒られるな…。」



優「ゴリマッチョな人?」



柏「あの人生徒会長だもんね。」



乙「怒るとシャレになんねぇくらい走らされるからな…。」



柏「頑張れ
じゃあ俺そろそろ帰るね。」



乙「今日はバスケ部いかねぇの?」



柏「今日家の用事があって行けないんだ
じゃあまた明日。」



優「バイバーイ。」





佑紀が帰って久しぶりに優子と2人きりになった。



あの日から数日怒ってんのか怒ってないのかわからないけど少し俺たちの仲はギクシャクしてた


というより優子の様子が変だった。



あの日リクとなにかあったのか聞きたかったけど怖くて聞けない


もしかしたらまた告白受けたのかもしれない


隠れて付き合いだしたのかもしれないって嫌な想像ばっか膨らんでもう聞かないことに決めたんだ。



優子は優子で俺によそよそしくて高橋が来ると一緒にいるのを避けるようにどこかへ行く


まるで俺がリクにしてたのと同じように…


けど時間が解決してくれたのか今またこうして2人でいられるのが凄く嬉しいんだ。





優「乙輝部活もうすぐ?」



乙「あぁ、そろそろいかねぇとな
優子もだろ?」



優「うん
帰り早く終わった方が相手の場所で待つのでいい?」



乙「おう、部活頑張れよ!」



優「乙輝もね!」





頭を撫でて微笑むといつもみたいに笑顔を向けてくれた。



これだけで俺はどんな辛い練習があっても頑張れる


いつもより気分良く部活に行ったけどやっぱり秋元先輩に赤点のことをめちゃくちゃ怒られ


部活が終わったら100m30本をペナルティーとしてあたえられた。



そして先輩の機嫌が悪くなった今日はいつもよりメニューもハードで時間も長かった。





秋「よし、今日はこれで終了
乙輝は30本ちゃんと走れよ。」



乙「は、はい…。」





クッソあのゴリラただでさえいつもより多く本数こなしてんのに…


プラス30本とか体力もたねぇっつーの…。




秋「…サボるなよ?」


乙「わかってます…。」






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