トライアングル

□第28章
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「はぁ…どうすっかな……。」



あれから3週間

俺たちは未だに仲直りできずにいた。


周りからも早く仲直りしろって言われるし俺もしたい

でもこれだけ続くともう勇気の問題

タイミングなんか逃しまくってるし腹をくくるしかないんだ

それがわかってるのにこの状況を続けてるなんて…。



「俺ってヘタレだったのかよ…。」



コンコン


自分に嫌気が刺していると窓をノックする音が聞こえてきた。


しばらくの間締めっぱなしだった窓

その窓を叩けるのは一人しかいないし音を聞いてすぐに誰だかわかった。



「優子…。」


「久しぶり…
乙輝の部屋行ってもいいかな…?」


「あ、あぁ。」



久々に聞いた優子の声

元気がないのがすぐわかってそれが自分のせいだと思うと苦しくなった。


前のように窓から俺の部屋に入ってきてベッドに腰をかける

そしてしばらくの間話すことも動くこともしなかった。



「えっと…どうした?」


「……。」



前は心地よかった静寂な空間

でも今は居心地が悪くて変な緊張が入ってる

居たたまれなくなって声をかけるけど優子からの返事はなく

俯いて何を考えてるのかさっぱりわからない。



「優子?」


「ちょっと待って…。」



そう言い深呼吸をして何かを決意したように顔を上げた。



「ごめんなさい…
夏祭りの日乙輝に酷いこと言って…。」


「優子…。」



優子の口から出たのはあの日の謝罪の言葉だった。


本当はもっと早く謝るつもりだったんだけど勇気が出なかったって

それを聞いて同じこと考えてたんだって少し安堵した

優子はもう俺と話したくないんじゃないかって思ってたから。



「言ってからすごく後悔したの
乙輝がそんな人じゃないって1番わかってるのは私なのに…。」


「謝るのは俺の方だよ
俺が勘違いさせるようなことしたから。」


「違う、乙輝は悪くないの
私が勝手に勘違いして嫉妬して酷いこと言ったんだから。」


「…嫉妬?」



なんで優子が高橋に嫉妬するんだ?

理由が全くわからない

高橋の告白を先に譲ったってことは振るつもりだったんだろうし。





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