トライアングル

□第30章
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「乙輝ー帰ろー。」


「もうちょいで終わるからそこら辺で待ってて。」



なんてことない部活終わり

最近は2人で帰ることが多くて4人で寄り道することは少なくなった。


あっちゃんとリクが付き合い始めた時もそうだったけど

今は2人が気を使ってくれてるみたい


4人での寄り道も楽しいけどこうして待ってるのも結構好き

陸上部の方が早く終わることが多いから頑張ってる乙輝を見られるのはレアだったりする。



「優子まだ帰んないの?」


「彼氏待ち?」


「あ、はい
もう少しで終わるみたいなので」


「いいなぁー
彼氏待つとか私もしたーい。」


「はいはい
お邪魔しないように帰るよ
おつかれー。」


「お疲れ様です!」



先輩にいじられたり彼氏っていう言葉はまだ慣れなくてなんだかむず痒い。



「わりぃ遅くなった!」


「ううん
私もさっき終わったばっかりだから。」


「そっか、じゃあ帰ろうぜ
そういえばさっきさー。」



そう言いながら自然と手を繋いできた。



「っ…//」



手を繋ぐ

たったそれだけのことなのに私の胸は高鳴って心臓の音がうるさい

乙輝がなんか話してるけど内容なんて全然頭に入ってこなかった。



「じゃあまた後でな。」


「え?、あ、うん。」


「大丈夫か?
なんか上の空だったけど。」


「なんでもないから気にしないで
お風呂入ったら行くね。」


「おうっ。」



別れ際に私の頭を撫でて笑顔で隣の家に入っていく

いつものこと

なんだったら付き合う前からしてる

それなのにどうしてこんなに幸せな気分になるんだろう。


私は家に入ると自分の部屋に向かい鞄を投げ捨てベッドにダイブした。



「なんでこんなにドキドキするのかな…。」



理由は簡単

両想いだから

好きな人に手を繋がれたり頭を撫でられたりすれば誰だってドキドキする

乙輝だから変わらないかなって思ってた私は甘かった。





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