トライアングル

□第36章
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優「ついたー!」


陽「疲れた〜
早く温泉入りたい。」



結局あの後俺は優子を誘いに行かされ家庭の用事ってことで2人して部活を休んだ。



麻「夕飯までデートしてきたら?
私たちは先にチェックイン済ませて部屋にいるから。」


乙「夕飯までって…。」



はる姉が寝坊したせいであと1時間ちょっとしかないんだけど

でも優子とデートってしたことなかったな

お互い部活忙しいし毎日部屋行ったり来たりしてたから全然考えてなかった。



乙「じゃあその辺ぶらつく?」


優「うん、デートなんて初めてだね。」


陽「デート初めてって…
乙輝ゆうちゃんのこともうちょっと考えてあげなよ。」


乙「え?毎日会ってるから別にいいと思ってた。」


麻「甲斐性なし
じゃあまぁ楽しんどいで。」



散々な事を言うだけ言って姉ちゃんたちはホテルの中に入っていった。



乙「デートやっぱしたかった?」


優「私も正直あんま考えてなかった
でも私服は新鮮だね。」



いつも制服か部活着が部屋着だったから

こうやって私服で会うのは久々かもしれない

優子の私服はやっぱ可愛くて見慣れない服装にドキッとする。



乙「じゃああんま時間もないしとっとと行くか。」


優「そうだね。」



温泉街だからか露店がそこら中に並んでて人も大勢いた。



乙「迷子になるなよ?」


優「じゃあ逸れないようにちゃんと捕まえてて。」


乙「わかった。」



差し出された手をしっかり握って人混みの中に入っていく

流されないように腕にしがみつく優子は子供みたいですごく可愛かった。



乙「そういえばもうすぐ誕生日だよな
なんか欲しいもんある?」


優「何か買ってくれるの?」


乙「いいぜ、好きなもの選びなよ。」


優「やったー!」



出店に立ち寄って嬉しそうに店内を眺める

楽しそうな彼女が見られただけで部活休んでよかったって思えた。



優「じゃあこれ!」



優子が選んだのは木彫りの小さな猫の置物だった。



乙「こんなんでいいのか?」


優「なんか乙輝に似てるでしょ?
それに不思議と見てて落ち着くんだ。」


乙「まぁ優子がいいならいいけど。」



俺に似てるかはわかんないけど嬉しそうにしてるからいいか

会計を済ませ上機嫌な彼女と姉ちゃんが待つ部屋へと戻った。




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