ヤンキーの俺と清楚な彼女

□姉と弟
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アジトから出ると緊張が抜けたのか一気に体中に激痛が走る。

脇腹なんて痛いどころじゃない。

それでも倒れるわけには行かなくて

俺は重い体を引きずった。


しばらくして家の門まで着くと後ろから肩を叩かれた。

振り向くとそこには玲奈の姿があった。


「玲奈…」

「え、ど、どうしたのその傷!」


そりゃビックリするよな…

口元切れてるし、体はボロボロだし。


「喧嘩…したの…?」


なんでだろ

玲奈の顔見ると安心する。

やっぱ好きなんだなぁ俺。


「玲奈…」

「キャッ!」


頭より体早く動いて

俺は玲奈の細い体を抱きしめていた。


「れ、蓮…君?」

「俺さ、玲奈が好きなんだ…」

「え?」

「会ってまだ1日も経ってねぇけど、玲奈のこと想像するだけでドキドキしてさ。
さっきも顔見たら何かすげぇ安心した」

「……」


俺は玲奈を少し離し見つめた。


「早いって言われても仕方ないと思う。
でも一目惚れなんだ。
だから…、俺と付き合って」


その言葉を聞くと玲奈は突然泣き出した。


「れ、玲奈?」

「私も好きッ。
初めての一目惚れで、どうして良いか分からなくてッ」

「え、それって…」



「よろしくお願いします//」


泣きながら微笑む玲奈を見て俺はまた彼女を抱きしめた。


「よかったぁ…。
内心凄い不安だったんだ」

「蓮君…」

「君なんかいらねぇ。
呼び捨てでよんでよ」

「れ、蓮//」

「スッゲェ嬉しい」


玲奈の腕が俺の首に回りギュッと抱きついてくる。


「絶対大切にするから」


その言葉と共に、俺たちは本日二度目のキスを交わした。

二度目のキスは一回目とは違い

血と涙の混ざり合った味がした。
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