ヤンキーの俺と清楚な彼女

□嫉妬と怒りと安息と
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南side


蓮が教室から出ていった。


確かに女子たちが悪かったけど、

あいつ大丈夫かなぁ。



「南…」

「大丈夫だよ敦子」



心配そうに聞いてくる敦子の頭を撫で

俺は女子の軍団に近付いた。



「あのさ、妬むのも分かるけど悪口言うのは間違ってると思うよ?
玲奈は何も悪くないからね」


「ごめんなさい…」


「それは俺じゃなくて蓮と玲奈に言えよ」



俺はそう言って席についた。



「蓮どこに言ったんだろうね」

「わかんないけど昼までには戻って…」











「こないじゃん」

「ごめん…」



結局蓮は戻ってこなかった。



「まぁ屋上に言って見よ」



ガラッ



「よぉ南」

「相変わらず小せぇなぁ」



そこには俺に罵声を飛ばす優希と冴江とその彼女たち

そして玲奈の姿。

蓮の姿は何処にもなかった。



「あっちゃん蓮は?」



何も知らない玲奈が敦子に聞く。



「え〜と…」



答えられねぇよな。


彼女の悪口言われてどっか行きましたなんて…。
でも言わなきゃいけないときもある。



「玲奈、実はさ…」



俺は敦子の代わりにさっき起こったことを話した。



「酷い…」

「玲奈ちゃんは何も悪くないのに」

「許せねぇな…」



みんながそれぞれの思いを言う中、

玲奈だけは黙って俯いていた。



「玲奈ちゃん…」


「私は大丈夫。
それより蓮何処に行ったんだろう…」


「また喧嘩とかしてないよね…」



みんながその言葉で固まる。



「私捜してくる」



玲奈は立ち上がり屋上から出て行った。



「俺も捜しに…」
「ダメだ」



俺も行こうとすると優希に止められた。



「なんでだよ」


「これは二人の問題だ。
友達の悪口言われたのは許せねぇし、
蓮がいなくなって捜しに行きたい気持ちも分かる。
でもダメだ」


「ゆうちゃん…」



俺たちは黙って待ってるしかできない。


蓮、何処に行ったんだ…。
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