ヤンキーの俺と清楚な彼女

□宣戦布告
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「今から体育祭の種目決めるぞ」


秋元の声でクラス中が騒がしくなった。


なんでこんなことで喜ぶのか俺にはわからない


体育祭はサボる為にある


俺はずっとそう思ってきた。


「蓮は何に出るんだ?」


「なんもでねぇよ
俺サボるから」


「はぁ?
玲奈とゆきりんに怒られるぞ」


「別にいいよ
2人共恐くねぇもん」


「じゃあ俺に怒られたらどうだ?」


「うわぁ!」


なんだ秋元か

いきなり出てくるからビビったぜ…


ゴリラそっくりだしよ


「なにか言ったか?」


「いや、何も…」


「やる気のないお前には俺が種目を決めてやった」


「なんでお前が決めんだよ!」


ゴツン!!


「いってぇ!」


「先生に向かってお前とはなんだお前とは」


頭にゴリラの鉄拳をくらった。


力強いんだからさっ

もっと生徒をいたわれよ


「で、何の種目なんだ?」


「ブロック対抗リレーだ」


「リレー!?」


一番面倒なやつじゃん…


「一つにしてやったんだ
それくらいクラスに貢献しろ」


最悪っ

本当ゴリラだよお前


リレーなんてどうして俺が…


陸上部の南にやらせたらいいのに


「よかったな蓮」


「全然よくねぇし…
南は何に出るんだ?」


「俺は長距離だよ」


「一番地味なやつか…」


「地味って言うな!」


「体育祭は来週だから練習しとけよ
じゃあホームルーム終わり
解散」


“蓮君頑張ってね!”

“応援してるよ!”

“一位になれよ!”


帰り際にクラスメートに様々な声をかけられた。


はぁー

だから嫌なんだよリレーなんて


負けたら全部俺のせいなんだからさ…


「おめでとう」


「何がおめでとうだ…」

ムカついたから嬉しそうに笑う南の頭を押さえつけた。


「やめろっ
身長縮むだろ!」


「蓮やめてあげて?
南もう5mm縮んじゃったんだから」


敦子のフォローになっていない言葉に笑え、

南の頭を撫でてやった。


「そっかそっか
縮んだんだな…プッ…」


「今笑ったな!?
絶対笑っただろ!」


「ごめんな?
縮んでたのに頭押さえつけて」


「蓮謝る気ねぇだろ…」


やっぱり南はおもしれぇ

いじりがいがあるぜ
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