ヤンキーの俺と清楚な彼女

□運命のリレー
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今日は運命の日

矢神との勝負は最後


リレーは種目としても一番盛り上がるからな


「蓮…」


学校へ向かっている途中

玲奈が心配そうに俺の名前を呼んだ。


「なんだ?」


「勝てるよね…」


「正直わかんねぇ
俺は一週間しかやってないけど
矢神はもう何年も陸上やってる
自信とかは全くねぇよ」


もうカッコつけられる余裕なんてなかった。


今更言ったって何の意味ももたない


「だけど絶対負けねぇ
玲奈の為にも」


そう、

俺に負けることは許されない

失いたくなきゃ走るしかないんだから


「頑張ってね…」


小さくそうに呟いて

俺の腰に回っている腕に力が入った。



学校に着き、
しばらくして体育祭は始まった。


玲奈が出た種目はちゃんと見たけど

悪いが優希たちの奴は見れなかった。


時間まで後少し

練習はギリギリまでしときたいんだ



嫌なことは直ぐに時間が来る。


あっというまにリレーの時はやってきた。


「矢神なんかぶっ倒してやれ!」


「負けんじゃねぇぞ!」


「玲奈ちゃんの為に頑張って!」


「蓮ならできるよ!」


みんなが俺を応援してくれた。


「あぁ、絶対勝つ」


それだけ行って自分の場所へ向かう。


玲奈の顔はあえて見なかった。


それは不安そうな顔してるのがわかってたから


そんな顔見たらリレーなんかやってらんねぇよ


「逃げずに来たな」


「お前なんか直ぐに追い抜いてやる」


「甘く見んじゃねぇよ
余裕ぶっこいてると後で泣くことになるぜ」


「その言葉、
そっくりそのままお前に返す」


よーい、パン!


ついにリレーが始まった。


だけど最初から何だかおかしい

つーかヤバい…


俺のブロックの奴らが足遅すぎるっ


どんどん離されていって俺の前では

もう矢神のブロックに半周の遅れをとっていた。


このままじゃマズい…


だけど最後は2周

そこで俺が挽回するしかない。


「頼む!」


三年から渡されたバトンをしっかり握って俺は走った。


「蓮頑張って!」


回りから微かに聞こえた玲奈の声


その声を背に俺は全力疾走


少しずつだけど距離は縮まっていた。


「負けられねぇんだよ…
てめぇなんかにはな!」
何とか後半周で矢神に追いついた。


けどさすが陸上部

やっぱり足はとてつもなく速かった。


追いつきはするけど追い越せないっ


くそ…


「負けるかぁぁ!」


「うおぉぉぉ!」


ドンっ!


俺たちはほぼ同時にゴールテープを切った。


そのため全員が到着するとビデオ判定に移る


勝ったのは俺か、

それとも矢神か…


「一位は…
みどりブロック!」


みどりブロック…

ってことは…
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