ヤンキーの俺と清楚な彼女

□近いようで遠い距離
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「蓮起きて!」


「ふは〜ぃ…」



朝玲奈の姿はない

あるのは俺を起こす姉ちゃんの姿だけ。


当然だよな

付き合ってねぇんだから


けどやっぱり寂しい…

玲奈がいて毎朝幸せだった。


ニケツして学校まで行って、

手を繋いで校内に入る。


昼は一緒にいてご飯は手作り弁当


それが一気に無くなった。



「玲奈…」


「まだ仲直りしてないの?」



ため息のように口からこぼれた玲奈の名前


心配した姉ちゃんが聞いてくる。



「いや、
仲直りはしたよ
玲奈にも告白はされた」


「じゃあ…」


「けど断った」


「断った!?」



姉ちゃんは相変わらずオーバーリアクション


俺の分まで驚いてるよ…



「どうして…
玲奈ちゃんと本当に別れたかったの?」


「そんな訳ねぇだろ
玲奈を傷つけた自分が許すなくてさ
一週間ペナルティーって俺が言ったんだ」


「ってことは…」


「また玲奈と付き合うよ心配かけてごめんな」


「蓮…」



微笑みながら姉ちゃんに謝った。


すると姉ちゃんは俺を抱きしめて頭を撫でてきた。



「ちょっ、姉ちゃん?」


「よかったね蓮っ
別れたときはどうしようかと思ったけど」


「ごめん…」


「ううん
今度は玲奈ちゃんのこと離さないでね」


「あぁ…
約束するよ」



朝っぱらから姉弟で何してんだって感じだけど、

姉ちゃん好きだから良いんだよなっ



「姉ちゃん好きだよ…」


「それは玲奈ちゃんに言わないと」


「言うよちゃんとさ
でも姉ちゃん好きだから」



みんなの前じゃ見せられない俺の一面


ある意味シスコンかも。



「ああぁぁぁぁ!!」



部屋の扉を見ると絶叫する冴江の姿



「うるせえぇ…」


「お前こそ朝からりんちゃんに何してんだぁ!!」


「うおっ」



引き剥がされて俺はベッドに倒れ、

姉ちゃんは冴江の腕の中



「冴江ちゃん//」


「蓮何回りんちゃんに手を出してんだよ!」


「冴江は何回嫉妬してんだよ!」



まったく飽きねぇ奴…


こっちの方が疲れてくるぜ…。



「朝っぱらから嫉妬すんなって
姉弟だからいいだろうが」


「よくない!」



こりゃ拉致があかねぇな…
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