ヤンキーの俺と清楚な彼女

□無神経
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「ついてくんなっ!」


「蓮待ってよ〜」



俺は朝から転校生の女から逃走中

今思えばこいつを助けたのが運の尽き

運命の人とか言ってその日から俺につきまとうようになった。


ホントうざくてしょうがねぇ

男だったら今頃ボッコボコにしてるくらいだ。



「くそっ…
どっか隠れる場所は…」



保健室に逃げ込んでも良いけどその方が面倒になりそうだし…。



「れ〜んっ」



考えていると玲奈が教室から俺を呼んだ。



「玲奈…」



よし、
せっかくだから玲奈のとこ行くか


柱を利用して死角に入り教室に飛び込んだ。



「蓮どうしたの?」


「いや、
ちょっと虫がくっついてたからさ」


「虫?」


『蓮どこ〜?』



げっ…
もう来やがった…



「あいつがなんか言ってきても俺はいないって言ってくれ」


「え?」


「頼むっ」


「でも呼んでるよ?」


「いいからっ」



俺は壁と玲奈の間に座り込んで身を隠した。



「あれ?」


「どうかしたの?」


「目に傷のある男の子見ませんでしたか?」


「ここには来なかったよ」


「そうですか…」


「見つけたら教えるね」


「ありがとうございますともの運命の人なんで!」


「運命の…人…」



あいつ余計なこと言いやがって…



「…どういうこと?」


「え…」


「何?運命の人って」


「それはー…」



やばい…
珍しく玲奈が怒ってる。



「もうそんな関係になったんだ」


「ちょっ、ちげぇーって!」


「…私帰る」


「はぁ?」


「さようなら」



怒った玲奈は鞄を持ってさっさと教室を出て行ってしまった。



「まじかよ…」



上手く逃げられて喜んでたのに一気に最悪な気分になった。


それもこれも全部…



「あ、蓮みーつけたっ!」



こいつのせいだ…。



「お前さぁ、
自分がどれだけ迷惑なことしてんのかわかんねぇの?」


「え?」


「俺には彼女がいるし運命の人とか言われても迷惑なだけなんだ」


「でも…」


「でもじゃねぇよ
二度と俺に関わるな…」


俺はそう言い捨てて玲奈の後を追った。
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