ヤンキーの俺と清楚な彼女

□安心するところ
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「本当にいいんですか?」


蓮「あぁ…」


藍「少しでも治療した方がいいんじゃない?」


蓮「言ったろ…
約束が…あるって…」


「でもその怪我は…」



痣と打撲が数ヶ所

目と体全体に刺し傷

脇腹は今でも血が結構流れてる

こんなの見たら治療しろって普通言うよな…。



蓮「はぁ…はぁ…
それより48人はここの葬儀屋に頼んどけ
代々世話になってる場所だ…
負傷者も…いつものところに行け…」


「蓮さんは?」


蓮「約束だ…」



四龍のことは馨と藍に任せて俺は家に向かった。


玲奈驚くだろうな…
俺がこんな傷だらけで

その前にもう夜だとか言って怒るか?


ほぼクリスマス終わっちまってるし…

あと何時間だよって話。



「ゲホッゴホッ…
結構ヤバい…感じだな…」



血を流しすぎてもう壁をつたわねぇと歩けねぇ…

目の前もぼやけてくる

俺もまだまだだな…。



「蓮!」


「玲奈…」



遠くから玲奈が歩いてくるのがわかる

ははっ…
やっぱ怒ってるぜ…。



「もう!
どれだけ心配したと思って−」


「ごめん…」



玲奈は俺の顔を見た瞬間絶句した。


そりゃそうだよな。



「どうしたのそれっ!」


「ちょっと…な…」


「は、早く救急車っ」


「玲奈…」


「蓮っ
どうしようっ」



涙を流しながら慌ててる玲奈が不謹慎にも可愛いと思った。



「救急車はいいから…」


「でもっ…」


「会いたかった…」



そう言って抱きしめれは大人しくなった。


血塗れの体で抱きしてごめんな

でも今は玲奈を近くに感じたかったんだ。



「また…喧嘩…?」


「今回はちょっと…っ…苦戦…しちまって…」



震えた声で話す玲奈は俺が怖いのかそれともこの傷が怖いのか

どちらにせよ俺のせいで震えてるのはわかった。



「あの時と同じだな…」


「あの時?」


「玲奈に告白した日…」


「あっ…」



あの時も俺は怪我してふらふらで…

こうやって玲奈を抱きしめた。


安心するのは半年たってもかわらねぇ

でもなんか今日は眠くなってくる…。



「ごめん…眠い…」


「え…?」



ドサッ


俺はそのまま倒れて意識を失った。

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