キミに伝えたくて2

□クリスマスプレゼント
1ページ/4ページ

今日は12月25日
世間一般ではクリスマス


けれど私たちに今年のクリスマスはない



「ねぇ本当にいいの?」


「体調悪いんだろ?
なら家でゆっくりしてろ」


「でも…」


「それに玲奈に風邪引かれちゃまずいからな」



微笑みながら彼は優しくお腹に問いかけた。


今日はクリスマスだから

由紀ちゃんは朔夜さんとデート


久し振りに俐空と過ごせて嬉しいけどなんか申し訳ない…


俯いていると俐空が正面から抱きしめてきた。



「そんな暗い顔すんなよ」


「だって…」


「俺は一日中玲奈といれて嬉しいよ?」


「私も嬉しいけど…」


「今年の楽しみは来年にとっとこうぜ」


「えっ…?」


「来年は三人で祝えるんだからさ」



三人…

そっか、その頃にはもうこの子産まれてるんだ



「だからそんな顔すんなって」


「うんっ」



なんだか急に嬉しくなって俐空の背中に腕を回した。



「ありがとう俐空…」


「お礼を言うにはまだ早いぜ」



何のことかわからなくて顔を上げると

そこには満面の笑みをした俐空の顔


優しく軽いキスをされると後ろから紙袋を取り出した。



「なに?」


「はい、クリスマスプレゼントだよ」



紙袋の中から取り出されたのは赤のマフラー

見たところ手編みみたい



「どうしたのこれ…」


「玲奈の為に編んだ
まぁ半分以上陽菜にやってもらったんだけどさ」



少し細いけどちゃんとしたマフラーになってる


裁縫とか嫌いで時間もないはずなのに…


首に巻いてもらうと自然と涙が溢れてた。



「あり…がとうっ…」


「どういたしまして」



首に抱きつくとぎゅっと抱きしめ返される。


こんなに嬉しいプレゼント初めて…


俐空をお父さんに持つこの子が少しだけうらやましく思えた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ