So long

□第12話
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「えーと…
徳川家3代目は家康?」


「家光。」


「うっ…。」



俺の彼女は超優秀

国語教師だけどその他の教科だって教えられる

わかんなくたって麻里子がいればなんの心配もいらない

まぁそのおかげでスパルタ家庭教師と化しているけどな…。



「おチビ勉強全然ダメなんだね。」


「だから今までサッカーしかやってこなかったんだって!」


「けど3代将軍くらい普通わかるでしょ。」


「それは…。」


「篠田はおチビのテスト心配だよ。」


「麻里子が教えてくれればできる。」


「本当はやっちゃいけないんだからね?
教師がこうやって特別に1人の生徒に教えるの。」


「それなら心配ないよ
だって俺たちは教師と生徒じゃなくて彼氏と彼女だろ。」


「ふふっそうだね。」



間違いはないよな?

年上の頭の良い彼女に俺は勉強を教えてもらってるだけ

ここは学校じゃないし。



「それはいいけど後3日で課題終わる?」


「学校のは終わった。」


「サッカー部の子からもらったのは?」


「まだ数学と生物しか終わってない…。」


「はぁ…。」



真横で大きなため息をつかれた。



「どうして篠田が教えてる国語ができてないの。」



麻里子に見とれてて内容頭に入ってませんっ

…なんて言えねぇよな。



「あと英語も。」



陽菜の授業はひたすら眠気との戦いだ

起きてる方が難しいぜ。



「まぁいいけど
とにかくあと3冊は必ず終わらせるよ。」


「おうっ!」



とは言ったものの俺はままったく勉強に集中できないでいた。


近づく度に香る麻里子の香水

時々触れ合う肩と手

そしてなにより真剣な横顔から目が離せない。


いつもと違う表情に俺は弱い

つまりギャップにドキドキしまくりなわけ

普段とは変わってる彼女に俺は勉強どころじゃないんだ。



「…っていうことなの
おチビ聞いてる?」


「…へ?
あ、あぁ聞いてるよ。」


「じゃあ篠田今なんて説明した?」


「明智を倒したのが豊臣光秀?」


「豊臣秀吉!
おチビ話聞いてないの?」


「聞いてるよっ。」


「嘘でしょ
聞いてないならやめるよ?」


「だってしょうがねぇじゃん…。」



可愛い麻里子が悪い

そもそもこんな至近距離でドキドキしない男なんていねぇだろ…。





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