So long

□第13話
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篠田side


「なーんでこーなるかなー。」



テストが終わっておチビが全教科の回答を持ってやってきた。


みっちり教えてあげたおかげで1教科以外は50点以上

けど国語だけは赤点ギリギリの30点。



「教え方悪かったかな。」


「すごくね!?
俺初めて赤点取らなかった!」


「なんで篠田が教えてる国語だけ点数わるいの?
問題集もやってたのに。」


「だって俺自分で答え合わせしてねぇもん。」


「それはおチビが寝ちゃうからでしょー。」



こんなことなら叩き起こして自分で答え合わせやらせればよかった。



「なぁ麻里子。」


「俺頑張ったからなんかご褒美ちょうだい?」


「ご褒美?」


「うん!」



篠田は自分の教科だけ点数悪くて少し憂鬱なのに…

当のおチビは赤点取らなかったのが嬉しいのか満遍の笑みでそう言ってきた。



「ご褒美かー。」



確かに頑張ったけど彼女の教科だけギリギリだからなぁ…。



「じゃあはい。」


「え…、なにこれ…。」



おチビに渡したご褒美は国語の教材3点セット。



「これで次は1番国語が良い点数取れるように頑張ってね。」



「そりゃないぜ〜…。」



教材を受け取ったおチビはそう言って苦笑いしながら見上げてきた。


本当はキスとかしてほしかったんだろうなってガッカリ具合に笑える。



「ご褒美なにがよかったの?」


「そりゃキスとかデートとか。」



やっぱり…。



「あとはここでヤっていいとか。」


「何言ってんの。」


「だって学校とかちょっと興奮するじゃん!
スリルあってさー!」


「そんなスリルいりません。」



きっとゆっぴーからの入知恵だな

ニャロに怒っといてもらわないと。



「……なぁ、本当にご褒美これ?」



そう言って教材を見せてくるおチビは眉を下げてなんだか捨てらる仔犬みたい。



「しょーがないなー。」



篠田は立ち上がって頬に唇を寄せた。



「1つだけギリギリだったからご褒美はこれだけね。」


「うん!」



キスしてあげると途端に笑顔になっていつもの顔を見せてくれた。



「じゃあ俺部活行くな。」


「あ、おチビ。」


「ん?」


「もし全教科90点以上取れたらさっき言ってたご褒美あげる。」



背中を向けた彼の肩に手を置き耳元でそういうと目を見開いて振り返ってきた。





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