So long

□第17話
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あの後みんなと合流して昼食を取っているとやけに視線を感じる

それも温かく微笑ましそうな視線が…

麻里子は気にすることなく食べてるけど俺は我慢の限界だった。




「もうなんだよお前ら!
その温かい視線やめろ!」


「いやぁ元気になって良かったなぁって思ってさ。」


「麻里ちゃんとも久しぶりにイチャイチャできたみたいだし?」


「ナンパから彼女守るなんてさすが俺の親友!」


「公共の場でよくあんなことできるね。」


「あーうるせぇうるせぇ!
ナンパから彼女守るのは当たり前だろ?」


「俺に言わせれば離れたお前が悪いけどな。」


「うっ…。」




だってあのままいたら俺の方が限界くるし…

麻里子のいじりから逃げ出すにはああするしかなかったんだよ…。



「琉夜あれからどこ行ってたんだ?」


「え、あの、それはっ」


「女子大生と遊んでたんだよねー。」


「へっ!?」



どう誤魔化そうか考えていたらまさかの麻里子に答えられた。



「抱きつかれてビーチバレーしてデレデレしてたんだよね。」


「な、なんで、それ…。」


「お前自分がナンパされてんじゃねぇかよ。」


「そういうゆうちゃんも逆ナンされて喜んでたよねぇ。」




俺のことを大笑いしてた兄貴も陽菜の言葉で固まった。




「お、俺は陽菜だけだよ…?」


「声かけられて鼻の下伸ばしてたの知ってるんだから
さりげなくボディータッチしてたのもね。」


「兄弟揃ってナンパされて喜んでんじゃん。」


「優斗もりゅうもデレデレしすぎ
りゅうなんてビーチバレーなんかしたら遠くからでもわかるよ。」




なんだろ

さっきまですげぇ幸せな気分だったのに今崖の上に立たされてるみたい

怖くて隣に座ってる彼女の顔が見られねぇや

兄貴も同じみたいで2人して苦笑いするしかなかった。



「なんか篠田喉乾いてきたなぁ。」


「い、今から買ってきます!」


「あ〜陽菜お財布カバンの中に忘れちゃったかも。」


「お、俺が出すから気にしなくていいよ姫っ。」




今日一日はもう麻里子に逆らえないな…

爆笑してる敦子と佐玖が憎くてたまらない

この後コテージに着いて麻里子から怒ってないよと言われるまで俺の心中は穏やかじゃなかった。




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