So long

□第25章
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優斗side


「お前このままでいいのか?」


「なにが?」


「病気のこと。」


「あー…。」


「このまま隠し通すつもりか?」


「麻里子相手じゃ難しいだろうな…。」



悪い方へ進展のある琉夜の病

言うなって言われてるから俺は聞かれても答えないようにしてる

でも最近こいつがあからさまに変わってきてるからそれが難しくなってきた。


精神的にも体力的にも辛いだろうし今まで通りにしろってのも無理だろう

余命宣告された身

笑って毎日学校に行ってるだけで十分だから他の事に関して俺は何も言わない

あいつの好きにしたらいいと思う

でもそれじゃあ麻里ちゃんに隠すのは無理だ。



「なぁ兄貴…
陽菜には兄貴から話しといてくれないか?」


「それはいいけど…
麻里ちゃんはどうすんだ?」


「いずれ話すよ
けど今はまだ言えない…。」


「琉夜…。」



そういうとあいつは部屋に戻っていった。



「俺からか…
重い大役を任されたもんだ…。」



一緒に住んでるから話そうって気になったんだろう

陽菜は病気のことも知ってるしわかっててくれると俺としては安心

学校で何かあったら任せられるから

先生としてだけじゃなく家族としても琉夜を支えてほしい

あいつが頼れるのは俺らしかいないんだ。



「しっかりしねぇとな。」


「ただいま〜。」


「お邪魔しまーす。」


「おかえり陽菜っ!
あれ、麻里ちゃん?
琉夜なら部屋にいるぜ?」


「ううん、いいの
今日は優斗に用があるから。」



いつもと違うトーンで珍しく名前呼び

挨拶だけ済ませて2階に行くのに今日は真っ先に俺のとこにやってきた。


これは真剣な話かな…

なんのことかは予想がついてる

麻里ちゃんにしては来るのが遅いくらいだ。



「琉夜のことでしょ。」


「わかってたの?」


「麻里ちゃんが琉夜の変化に気づかないわけないからね。」


「じゃあ教えて
最近のおチビがおかしい理由
あのサッカー大好き少年が部活サボるなんてありえない
ちょっと前までサッカーの為に会う時間削ってたのに…。」



麻里ちゃんの瞳が負の感情で揺れて

心配してるのが痛いほど伝わってくる

俺は言いそうになる気持ちをグッと堪えた。




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