family

□昔からずっと…
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俐空「今日こそ絶対夜だけでも玲奈を独占してやる…。」



俺が玄関の前でそう意気込むには理由がある

それは今日の朝のこと。



玲奈「俐空起きて?」


俐空「ん〜…。」


玲奈「起きないと仕事遅れちゃうよ。」


俐空「玲奈がキスしてくれたら起きる…。」



今日はいつもより仕事が早い

かと言って早すぎるわけでもないこの時間からの仕事は俺にとって一番嬉しい。


早すぎれば玲奈は寝てるしかと言って遅いと子供たちに起こされる

子供が寝てて玲奈が起こしてくれる今日は2人だけの時

彼氏と彼女に戻れる時間なんだ。



玲奈「もう…。」


そんなことを言いながらも玲奈は顔を近づけてくれる

あと少しで触れそうって時に部屋の扉が勢いよく開いた。



蒼空「おはよう!」


俐空「え…。」


開いた扉の先にいたのは朝っぱらから元気よく挨拶してきた蒼空だった。



玲奈「ど、どうしたの?
こんな朝早く…。」


蒼空「きのういつもよりはやくねたからもうおきちゃった!」


そういってベッドの縁に座ってる玲奈の腰に抱きついた。



玲奈「早寝早起きしてえらいね。」


蒼空「えへへっ。
ママぼくおなかすいた!」


玲奈「じゃあ今から朝ごはん作るからちょっと待ってて?」


蒼空「うん!」



甘い感じだったのに突然の息子の出現に頭がついていかない

真横で繰り広げられる親子の会話は幸せそのものだった。


…ってそんなのはどうでもいい

俺は寝室から出て行こうとする玲奈の腕を咄嗟に掴んだ。



玲奈「どうしたの?」


俐空「キスは?」


玲奈「もう起きたからいいよね?」


俐空「え?」


玲奈「ごはんすぐ作るから。」



玲奈はそう笑顔でいい部屋から出ていった。


俐空「まじか…。」



キスしてほしいから言ったのにこれじゃ意味ねぇよ…。


起きてからも玲奈は蒼空がいるから全く甘えてくれず

唯一の2人だけの時間は蒼空によって阻まれた。



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